3.2「国民年金」平均受給月額

次に1階部分である国民年金(基礎年金)をみてみましょう。 

全体:5万6368円

  • 男性:5万9013円
  • 女性:5万4346円

先程と同じく、受給金額ごとの受給者数を1万円ごとに分けると、以下のようになります。

出所:厚生労働省「令和3年度厚生年金・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 1万円未満:7万27人
  • 1万円~2万円未満:28万4152人
  • 2万円~3万円未満:90万3006人
  • 3万円~4万円未満:274万9550人
  • 4万円~5万円未満:463万6048人
  • 5万円~6万円未満:791万730人
  • 6万円~7万円未満:1500万3006人
  • 7万円以上:187万2466人

男女の差はほとんどなく、おおよそ5万円台となっています。

国民年金を40年間(480カ月)納めた場合、2023年の受給額は満額で6万6250円。

自営業やフリーランスなどは国民年金のみの受給となるため、こちらの年金月額だけで老後生活を送ることは、かなり難しいでしょう。

4. 老後に向けた資産形成は必須

ひとことで「年金額」といっても、実際の年金受給額は人によって大きく異なることがわかりました。

いまのシニアの年金事情に加え、「自分は将来どれくらいもらえるのか」を大まかでも把握しておく必要があるでしょう。

年金だけでゆとりある老後を過ごせるという方は多くはないと考えられます。自分が年金を受け取る頃には状況が好転しているかも、と期待したいところですが、少子高齢化が加速するいまの日本では難しいでしょう。

不確かな未来に向けて、わたしたちが取り組んでおきたいのが「資産形成」です。老後に向けて、資産をふくらませていく必要があるのではないでしょうか。

2022年4月から、高校でも投資教育の授業が始まりました。2024年からはNISAの制度が大きく変わります。

このように、資産運用はわたしたちの身近なものになりつつあります。低金利の預貯金だけでは、資産を増やすことは難しい現代。運用商品を取り入れながら資産形成をしていく必要がありそうですね。

いきなり始めるのが不安だという場合は、本を読んだり、周りでやっている友人に話を聞いたりするなど、まずは情報収集から始めてみるのはいかがでしょうか。

参考資料

徳原 龍裕