3. 【国民年金だけ】は平均月額5万6368円

先程までは、厚生年金を受け取れる方に焦点を当てて話をしてきましたが、自営業や無職などの第1号被保険者や、配偶者に扶養されていた第3号被保険者などは、厚生年金が受け取ることができません。

つまり、国民年金だけしか受け取ることができないというわけです。国民年金だけではどれくらい受け取ることができるのでしょうか。

同じく厚生労働省が発表している「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、男女別の国民年金の受給額別の受給者数を確認していきましょう。

国民年金の平均受給月額は以下の通りです。

3.1 国民年金の平均受給月額

  • 男性平均月額:5万9013円
  • 女性平均月額:5万4346円
  • 全体平均月額:5万6368円

男女別で比べてみても受給額にそこまで大きな差はありません。国民年金は保険料を40年納めることで満額が受け取れますが、それでも6万円台です。

つまり、自営業やフリーランス、専業主婦だった方は厚生年金を受け取ることができる方々よりも、より手厚い準備が必要となってくるでしょう。

また、自営業やフリーランスの場合、収入は青天井ですが実際の収入には個人差があり、時期などによっても収入は左右されるでしょう。

そんな中で、万が一病気や怪我などで働けなくなった場合、老後に向けて準備した資金を取り崩さないといけなくなることも。そのためにも「万が一の事態」に対しての備えもあわせて考えておくといいかもしれません。

4. 男性の厚生年金まとめ

年金受給額の最新のデータをもとに月額「15万円」以上の年金を受け取ることができる「男性」の割合などを見てきました。

厚生年金受給者のうち男性の64.2%は月額「15万円」以上受け取ることができていますが、国民年金のみとなる自営業やフリーランスの方は多くても6万円台しか受け取れないことも1つの事実です。

老後の年金だけを頼るのではなく、今から老後に向けた準備がとても大切ですね。

まずは、現状の把握から始めてみてはいかがでしょうか。「年金がいくらもらえそうなのか」、「老後にどれくらいのお金が必要になりそうなのか」を把握することで、老後に向けた準備が進んでいくと筆者は思います。

自分の年金見込み額を知るために「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を活用してみてはいかがでしょうか

老後に向けた準備として、預貯金をコツコツ貯めることはもちろん大事です。ただし、目標の準備資金の額次第では、預貯金では不足する可能性もあります。

その際は、資産運用でお金を増やす仕組みづくりをしていくのもいいかもしれません。

資産運用は預貯金と異なり元本保証があるわけではありませんが、リスクをとることにより資産を大きく増やすことができるかもしれません。資産運用においての情報収集を行い、ご自身に合った運用方法を選んでいきましょう。

「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」や「つみたてNISA」など税制の優遇がある制度の活用を検討するのも1つかもしれません。

参考資料

奥田 楓也