日本製鉄(5401)の株価は2023年に入ってしばらくは堅調でしたが、3月以降伸び悩み、その後は横ばいとなっています。
日本製鉄の2023年初来の株価推移(いずれも終値ベース)2022年12月30日~2023年7月18日
年初は好業績や増配が株価の上昇要因となりましたが、次第に鉄鋼関連の市況悪化が意識されるようになり、上昇トレンドが一巡したと考えられます。
今回は日本製鉄の株価について見ていきましょう。
※株式分割の影響は、株価や配当金、株式数など全て遡及修正して株価を調整しています。
※記事中で記載の株価は全て終値となっています。
【日本製鉄(5402)の株価】年初は好調な業績や増配が上昇要因に
鉄鋼市場は2023年初からすでに厳しい環境となっています。世界的な原料高がある中でグローバルに粗鋼生産が停滞傾向にあったのです。
それでも日本製鉄は強固な収益基盤を土台として好業績を実現し、2022年度決算「在庫評価損益などを除いた実力ベースの利益」において過去最高の7340億円を計上しました。
実力ベースでの史上最高益を発表するとともに、積極的な株主還元への姿勢も評価されたと考えられます。
2022年度3Q決算において、2022年度通年の配当額を過去最高水準の180円となる予定と発表。2022年度通期決算でも、改めて年間180円の配当とする方針を示しました。
同水準の配当を前提とすると3月末時点での配当利回りは約5.8%(3月31日の株価終値3120円)と、同業他社のJFEホールディングス(同日時点で約4.8%、年間配当80円、株価1679円)と比べても魅力的な水準であるなど、配当面での魅力も、日本製鉄の株価の下支え要因になったと考えられます。