6月15日、2023年度の年金が初めて支払われました。
2022年度と比較して、年金額は67歳以下の人で2.2%、68歳以上の人は1.9%引き上げられています。
厚生年金の受取額は、加入期間や報酬月額によって異なります。
厚生年金を毎月「20万円以上」受け取っている人と「10万円未満」の人はどちらが多いのでしょうか。
厚生年金の受給額に分けて、実態をそれぞれ解説します。
※本記事の厚生年金月額には国民年金の金額が含まれます。
1. 厚生年金の受給額別にみる受給者数
厚生年金の受給者数を「20万円以上」と「10万円未満」の受給額ごとに分けて解説します。
1.1 厚生年金の月額「20万円以上」
厚生労働省が2022年12月に発表した「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金を毎月20万円以上受け取る人は、総数で250万1594人でした。
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出所:厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
受給者全体の割合で見ると、厚生年金を20万円以上受け取る人の割合は約15%です。
男女別でみると、男性は243万5901人、女性は6万5693人で、全体の97%が男性となりました。
1.2 厚生年金の月額「10万円未満」
厚生年金が10万円未満の受給者は、374万9779人となりました。
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出所:厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
10万円未満の受給者が、20万円以上の受給者と比べて約124万人多い結果となりました。
男性118万8651人に対して女性が256万1128人で、20万円以上の受給者と比較すると、女性の割合が多くなっています。
考えられる要因として、女性は結婚や出産によって仕事との両立が図りにくく、どうしても仕事やキャリアアップを断念しなければならない実態があると考えられます。
厚生年金が10万円未満になる女性の割合を少なくするためには、夫婦間で子育てのバランスを調整する必要もあるでしょう。
政府は「異次元の少子化対策」で、男性による育児参加を推し進める支援策を発表しました。
これから受給額の推移や受給者の割合がどのように変化するのか注目が集まります。
2. 厚生年金と国民年金の平均月額は?
厚生年金の平均月額をみると、2021年度は14万3965円となりました。
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出所:厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
年金の受給額は増減を繰り返しており、2021年度は2020年度と比較して減少しました。
生命保険文化センターが発表している最低限の生活費は、夫婦で平均23万2000円です。
厚生年金の平均受給額では、最低限の生活費は賄えていません。
そのため、厚生年金の受給額は少しでも増やす必要があるといえるでしょう。
3. 厚生年金の受給額を増やす方法2選
厚生年金の受給額を増やす方法は、次の2つです。
- 厚生年金の加入期間を延長
- 年金の繰下げ受給
それぞれの特徴について確認しましょう。
3.1 厚生年金の加入期間を延長
厚生年金の加入期間を延長すると、厚生年金の受給額を増やせます。
国民年金の加入期間は20歳から60歳までですが、厚生年金は原則70歳まで加入できます。
厚生年金の受給額を増やしたい場合は、60歳以降も働き続けて厚生年金に引き続き加入しておくと良いでしょう。
3.2 年金の繰下げ受給
年金の繰下げ受給も、厚生年金の受給額を増やす方法の1つです。
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出所:日本年金機構「年金の繰下げ受給」
年金の受給を1ヵ月繰下げると、受給額が0.7%増加します。
75歳まで繰下げできるので、受給額の増加率は最大で84%です。
年金の受給に頼らずとも、生活できるだけの資金があれば、あえて年金の受給を遅らせて、受給額を増やしておくと良いでしょう。
4. 厚生年金は老後の重要な財源だが自分でも資産形成をしておこう
厚生年金は、セカンドライフの生活において重要な財源です。
しかし、受給額が10万円を下回る人が約375万人で、20万円以上受け取る人に比べて約124万人多くなりました。
厚生年金だけで老後の生活は成り立たないので、自分自身で老後の資産を準備する必要があります。
NISAやiDeCoといった税制優遇される制度をはじめ、バランス良く準備すると良いでしょう。
参考資料
- 日本年金機構「令和5年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 公益財団法人生命保険文化センター「老後の生活費はいくらくらい必要と考える?」
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給」
川辺 拓也