キユーピー株式会社(2678)(以下「同社」という)が、2023年11月期第2四半期(上期)連結決算(対象期間:2022年12月1日~2023年5月31日)を発表した。
ドレッシングやマヨネーズなど調味料価格の値上げにより、売上高は前年同期比+6.2%の微増となった。しかし、原材料価格高騰の影響を、値上げ分では吸収できず、各段階利益は大幅な減益となった。
なお、同社は2023年4月6日に、2023年11月期通期業績予想を下方修正している。

1. キユーピー上期決算に影響を与えた鳥インフルエンザ感染症拡大

売上高は前年同期比+129億円にもかかわらず、本業での儲けを示す営業利益は前年同期比▲74億円と大幅な減益となっている。営業利益の主な増減要因は以下の通りである。

【増益要因】

  • 価格改定効果:+95億円

【減益要因】

  • 主原料高騰影響:▲113億円
  • エネルギー・一般原資材影響:▲46億円

上記のとおり、売上増加分(=増益要因)を、外部環境が完全に消し飛ばしている。

2. キユーピーの2023年11月期通期計画に対する進捗状況

同社は2023年4月6日に、2023年11月期通期業績予想を下方修正している。
最後に、本上期決算において、各数値の進捗状況を見る。

  • 売上高:49.3%
  • 営業利益:48.6%
  • 経常利益:48.1%
  • 親会社株主に帰属する純利益:56.5%

修正後の同社計画に対する進捗度は概ね順調と言える。

3. キユーピーの株価

2023年11月期第2四半期連結決算の発表前となる、2023年7月5日の終値は2396円であった。減益発表ながらも、通期計画に向けては順調に進んでおり、2023年7月19日の終値は2380円となっている。

参考資料

石川 貴康