電話による詐欺は広く認知されていても、手口が年々巧妙化することで被害が出続けています。特に現在増えているのが、自動音声を利用した詐欺です。独立行政法人国民生活センターは2023年7月14日にこうした状況に対して消費者に向けた注意喚起を行いました。

【自動音声電話による詐欺】「NTTファイナンス」を騙るケースが増加

自動音声電話による詐欺では実在の事業者名を騙ることで消費者の油断を誘うケースが多いようです。特に最近では「NTTファイナンス」を騙るケースが増えています。流れとしては以下のような事例が頻繁に報告されています。

  • 自動音声でボタンプッシュを促す(自動音声例:「NTTファイナンスです。料金の未納があるので電話が利用停止となります。オペレーターに繋ぐ場合は2を押してください」、「NTTファイナンスです。料金未納につき法的措置をとることになりました。詳しい説明は1番を押してください」、「NTTファイナンスです。重要なお知らせがございます。1番を押してください」)
  • オペレーターにつながり、名前と生年月日を聴取される
  • 架空の未納料金の支払いを要求され、支払わなければ裁判所に申し立てると言われる

【自動音声電話による詐欺】SMSや訪問による支払い要求も

同様のNTTファイナンスを騙った詐欺はSMSを通して行われる場合もあるようです。メッセージの内容は「NTTファイナンス」や「NTTファイナンスサポートセンター」を名乗り、訴訟最終通知等として架空の未払金を支払わせるための電話連絡を迫るというもの。また、関西エリアでは社員を騙った訪問による支払い請求も確認されています。

NTTファイナンスは自社のホームページ上で、「自動音声ガイダンスによる契約状況に関する事項や回線利用停止の通知」「SMSによる料金支払の案内」「訪問による集金」のいずれも実施していないと注意を呼びかけています。

【自動音声電話による詐欺】消費者へのアドバイス

こうした状況を受け、消費者センターからは消費者に対して以下のようなアドバイスをしています。

  • 電話で身に覚えのない未納料金を請求されても絶対に相手にせず、無視してください
  • 非通知や知らない番号からの電話には出ない、かけ直さないことがトラブル防止に効果的です
  • 不明な点がある場合は、事業者の本来の連絡先を自分で調べて、問い合わせてください
  • 不安を感じる場合は、消費生活センターや警察に相談してください

参考資料

大蔵 大輔