都市伝説のように巷で言われる「中学受験は専業主婦世帯が有利」という話。

しかし、専業主婦世帯と共働き世帯の推移は、総務省の「労働力調査特別調査」(2002年以前)と「労働力調査」(2002年以降)の統計によると、2022年の共働き世帯は1240万世帯、一方専業主婦のいる世帯は571万世帯でした。

出所:厚生労働省「令和3年度版厚生労働白書」より「共働き等世帯数の年次推移」

1980年のデータでは共働き世帯が614万世帯、専業主婦のいる世帯は1114万世帯と、現在とは真逆でした。しかしバブル崩壊後から共働き世帯が増え、リーマンショックを契機に差が拡大し現在に至ります。

このように、専業主婦世帯は激減しています。そのため、共働き世帯の子どもが中学受験をするのは少数派ではありません。

そこで今回は、共働き世帯が中学受験の天王山である夏休みを無事に乗り越えるための夏休み勉強計画をご紹介してきます。

共働き世帯・夏休みの勉強計画4カ条

その1 まずは平日の過ごし方を決める

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全国で一番受験熱の高い地域、首都圏の夏休みは概ね7月21日(金)から8月下旬までで、約35日間から40日間になります。

長い夏休みですが、受験生にとって夏休みの過ごし方は合否を左右する重要な期間です。そして、「親子の受験」とも言われる中学受験はとくに親のサポートが必須。

休日を除くと、夏休みの平日の夕方までは子どもがちゃんと勉強しているかどうか直接確認することができません。

夏休みの勉強計画を考える時、まずは平日の子どもの過ごし方を親子でしっかり話し合いをして決めましょう。

以下のポイントを中心に何度も話をして、「平日の基本形」を作っていくようにしてください。

  • 通っている塾に自習室があれば午前中から行く
  • お弁当の適量や欲しいおかずを決める
  • 塾で過ごす時間が長くなるのは負担にならないか確認する

塾に自習室がない場合は、講習会の授業を受けるまで基本的に家で過ごすことになります。

どうしても「親の目が届かないと不安」という時は、在宅勤務が可能かどうか会社に相談したり、民間学童の入会も視野に入れてみましょう。

その2 夏休みを分割して「やるべきこと」を決める

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夏休みをフル活用するには、各教科ごとの「やるべきこと」や、力を入れたい単元を事前にピックアップしましょう。

35日間から40日間ある夏休みを一週間や10日ごとなどに分けて考え、週ごとにテーマを掲げて本番に向けて確実に力をつけていく勉強計画を立てます。

以下のような点に気をつけて考えていきましょう。

  • 教科ごとの優先課題や克服したい単元を記す
  • 使用するテキストを記入
  • 実現可能な勉強量を書く

A4コピーや、インターネットにあるスケジュール表を印刷し記入したら机から見える場所に表を貼って、毎日実際に行った勉強と比較をしてください。共働き世帯が子どもの学習進捗状況を一目で分かるためにも、視覚化することは大切です。

そして、子ども自身が具体的な目標を作成することで一日でやるべき勉強量を把握し、受験に向けて近づいていることを自覚し、ダラダラ過ごすことの防止策にもなります。

また、子どもの理想とするような学習量を予定しても、毎日計画倒れだと挫折感の連続となるので気をつけてください。

計画を立てるのは夏休み前に終了し、子どものモチベーションを高めて、天王山の夏休みを気合を入れて乗り越えていきましょう。