3. 高齢者「おひとりさま世帯数」は増加傾向に
そして、知っておきたいのが高齢者世帯における単身世帯の数は年々増加しているということです。
厚生労働省が公表した「2021(令和3)年 国民生活基礎調査の概況」によると、65 歳以上の方がいる世帯は2580万9000世帯で、全世帯の49.7%を占めています。1986年は26%でしたので、35年間でおよそ2倍に。
そして、高齢者世帯における単身世帯は1986年の13.1%から35年で28.8%とこちらも2倍に増えています。
つまりは、今後もこの傾向が続く可能性は高いと考えられます。そうなると老後の生活を年金でカバーすることが難しい単身世帯がより増える可能性があります。
そうならないためにも、今のうちから年金以外の資産をしっかりと準備しておく必要がありそうですね。
4. 老後に向けた年金以外の資産の準備を
70歳代のひとり世帯のお金事情について見てきました。
70歳代のひとり世帯の10人に3人が金融資産を持っておらず、年金だけでは生活費をカバーするのが難しいのが今の状況のようです。70歳代となると健康面での思わぬ事態に直面することは、誰しもが起こりうるところで、さらに出費が増えるかもしれません。
いざという時の貯蓄がなかったり、少なかったりすると不安も大きくなるでしょう。
老後に働き続けるのも1つの方法ですが、健康面を考えると少し現実的ではないと筆者は思います。
だからこそ、いかに若い時から老後の生活を考え準備しておくかが大事でしょう。
準備をするうえで早く始め過ぎたということはありません。
まずは現状を把握しながら老後に向けて預貯金をコツコツ貯めることも一つ、資産運用でお金を増やす仕組みづくりも対策の一つとして視野に入れてみるといいでしょう。
資産運用には預貯金とは異なり、元本割れのリスクもあります。情報収集を行い、ご自身に合った金融商品を選んで運用をしていきましょう。
国の税制優遇制度である「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」や「つみたてNISA」などを活用してみてもいいのではないでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」
- 厚生労働省「2021(令和3)年 国民生活基礎調査の概況」
奥田 楓也