1.2 遺族厚生年金の支給要件
遺族厚生年金は、厚生年金に加入している人などがなくなった場合に支給されます。
遺族年金の受給権者は、配偶者や子どものほか一定要件を満たす親や祖父母、孫などです。
受給権者の中で最も優先度の高い人が、遺族年金を受け取ることになります。
受給権者には年齢の条件があり、夫や子どもについては次のとおりです。
- 死亡当時、55歳以上の夫(遺族年金の受け取りは60歳から)
- 死亡当時、18歳になった年度の3月31日までの子どもと20歳未満で障害等級1級・2級の障害状態にある子ども
亡くなった人については、遺族基礎年金と同様の保険料納付要件があります。
また、死亡当時厚生年金に加入していなくても、次に該当する場合は遺族厚生年金の対象です。
- 厚生年金加入中に初診日がある病気などで初診日から5年以内に死亡した
- 1級・2級の障害厚生(共済)年金を受け取っていた
- 保険料納付・免除などの月が25年以上ある
2. 遺族年金が受け取れない3つの原因
支給要件を満たさないと遺族年金は受け取れません。
受け取れると思っていた遺族年金が出ない主なケースは、以下の3つです。
原因をくわしく紹介します。
2.1 遺族年金が受け取れない原因1. 自営業の世帯で子どもが成人している
自営業者の夫婦世帯でどちらか一方が亡くなった場合、子どもがいなければ遺族年金は支給されません。
自営業者など国民年金の加入者が死亡した場合、支払われるのは遺族基礎年金のみで遺族厚生年金は出ません。
遺族基礎年金が支給されるのは、前述の要件を満たす子どものいる場合だけです。
厚生年金に加入したことのない老齢世帯では夫が死亡しても遺族年金が受け取れないことを前提に、老後の生活設計を行う必要があります。