日経平均は56年9カ月ぶり、高度成長期以来の14連騰

2017年10月20日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より9円12銭高の21,457円64銭となりました。14日続伸です。14日続伸は1960年12月21日~61年1月11日以来で、実に、56年9カ月ぶりです。

当時は高度経済成長期の岩戸景気のさ中で、60年12月には池田勇人首相が所得倍増計画を発表しました。ちなみに、それ以前もその後も15連騰はありません。つまり、14連騰は歴代最長記録です。週明けの23日に続伸すれば記録を塗り替えることになります。

日本株が好調なのにはどのような背景があるのでしょうか。いくつか要因を挙げることができます。まずは、先進国を中心に世界的に株高傾向になっていることです。米株も上昇が続いています。20日の米株式市場でダウ工業株30種平均は6日続伸し、5日続けて過去最高値を更新しました。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も反発し、最高値を更新しています。ドイツやフランスなど欧州の株価指数も上昇しました。

これらを受けて、海外投資家にリスクをテイクする動きが広がり、日本株に対する関心も高まっています。折しも、国内では来週から3期企業の4~9月期決算発表が本格化します。為替相場が円安傾向にあることから、業績見通しを上方修正する企業が多くなると期待されます。

来週、記録を塗り替える15連騰は起きるでしょうか。ポイントになるのはもちろん、22日に行われる衆院選の投開票です。現状は与党の優勢が伝わっています。安定政権が維持されれば、経済政策が継続されるとの見方から買い上げが進んできました。

ただし、市場では織り込み済みといったところで、大勝となった場合でも、直近の急騰の反動から、週初には利益確定売りが出る可能性があります。それでも、調整が長引くとは考えづらいところです、短期的な押しが入っても再度買いから参入するチャンスになるでしょう。

5日移動平均線にサポートされ、力強く上昇

今週の動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。先週末13日に大きな陽線になった反動から、今週初は調整になる可能性もありましたが、むしろ13日の高値付近が下値サポートラインに変わり、さらに上昇しました。

5日移動平均線で下値をサポートされ、力強く伸びています。チャートの形を見ると、5日移動平均線、25日移動平均線、75日移動平均線の3本の移動平均線がともに上向きで、それぞれの間隔が扇のように広がっています。これは典型的な上昇トレンドの形です。

新たな相場のステージが視野に。短期的な調整は押し目買いの好機

今後の動きはどうなるでしょうか。楽しみなのは、上目のめどです。現在の強い上昇トレンドは9月8日(終値19,274円)からスタートしましたが、その中で、2015年12月1日の高値(20,012円)、同年6月24日の高値(20,952円)、2000年4月12日の20,833円など、過去の節となる高値を次々と越えてきました。

これ以上の目立った節となると、1996年6月26日の高値22,750円ぐらいしかありません。その先には視界がかなり広がっていることから、先高期待が大きいところです。文字どおり、新たな相場のステージが見えてきました。

ただ、来週初は、現在14連騰し高値圏にあることや、衆院選の結果を受けた利益確定売りなどの動きも出てきそうです。騰落レシオやRSIなどのオシレーター系の指標も過熱感を示しています。

ただし、中長期的な目線は上に持っていいでしょう。25日移動平均線のある20,800円ぐらいまでは、押し目の好機と考えたいところです。

 

下原 一晃