将来もらえる年金額はねんきん定期便にて確認できますが、正しい受給金額を把握している人はどの程度いるのでしょうか。

将来もらえる年金額は、思いの外少ないです。

多くの人にとって、現役時代と同じ金銭感覚で老後生活を送るのは至難の業といえます。

本記事では、年金月額20万円以上を貰っている人の割合を確認しつつ、年金から天引きされる税金の詳細を紹介しています。

なんとなく老後生活のイメージをしている人は、年金額をシュミレーションしつつ具体的な老後生活をイメージしてみてはいかがでしょうか。

場合によっては、iDeCoや個人年金保険の検討も必要になるでしょう。

※本記事の厚生年金月額には国民年金部分が含まれます。

1. 厚生年金を月20万円以上もらっている人の割合は15.5%

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出所:厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に筆者作成

厚生労働省がまとめた令和3年度版厚生年金保険・国民年金事業の概況によると、厚生年金だけで月平均20万円以上を達成している人の割合は、15.5%でした。

受給金額のボリュームゾーンは、月額10万円以上20万円未満で、全体の61.4%です。

1.1 年金受給・月額20万円は「年収710万円以上」が基準ライン

厚生年金の受給額は、厚生年金の払込金額によって決定します。

月額20万円をもらうには、どの程度の年収が必要なのでしょうか。

厚生労働省が提供している公的年金シュミレーターにて以下の条件を入力し、厚生年金の年額が240万円を超える年収を探してみました。

以下の条件にて、年金月額20万円を達成できます。

  • 厚生年金の払込期間は22歳から60歳まで
  • 年収710万円
  • 受給開始は65歳

シュミレーターによると、受給初年度の65歳では年額97万円ですが、66歳からは年額246万円になります。

国民の平均年収が400万円台ということを考えると、やや厳しい条件です。

2. 厚生年金の払込が25年に満たない場合

厚生年金の月額受給額を20万円以上にするためには、年収700万円以上というシュミレーション結果が出ました。

思いの外ハードルが高いことに驚いた人も多いのではないでしょうか。

テーマから少し離れますが、何らかの理由で25年間、年金を納めることができなかった場合はどの程度の受給金額になるのでしょうか。

次の一覧表にまとめてみました。

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出所:厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に筆者作成

国民年金よりも手当が厚いとされる厚生年金とはいえ、納付期間が25年に満たない場合、国民年金とさほど変わらない月額になってしまいます。

3. 年金から天引きされるお金とは?

我が国の税制では、年金は雑所得とされており納税の対象となっています。もらった年金から税金が天引きされることを認識しておきましょう。

年金から天引きされる税金の項目は以下のとおりです。

  • 所得税
  • 住民税
  • 介護保険料
  • 国民健康保険、後期高齢者保険料

このうち、所得税は65歳未満なら108万円、65歳以上なら158万円を超えると課税されます。

3.1 天引き金額をシュミレーション

受給年金額185万円を例に、天引き金額をシュミレーションしてみましょう。

所得税の計算式は以下のとおりです。

①所得金額 = 公的年金の収入-公的年金所得控除=185万円-120万円=65万円

②所得控除金額 = 社会保険料控除+配偶者控除+基礎控除=6万3000円+38万円+48万円=92万3000円

③課税される所得金額 = ①-②=65万円-92万3000円=0万円

年金受給年額185万円で配偶者がいる場合、所得税は非課税です。

次に住民税の納税金額をシュミレーションしてみましょう。

①所得金額は前述①の65万円

②所得控除金額は、社会保険料控除+配偶者控除+基礎控除=6万3000円+33万円+33万円=72万3000円

③課税標準額は、①-②=72万3000円-80万円=0万円

したがって、住民税も非課税になります。

ただし介護保険料や健康保険料は天引きされることに注意しましょう。

4. 年金のみでは老後生活の設計はできない

公的年金だけでは豊かな老後生活が送れないとはよく言われますが、実際にどの程度もらえるのか試算してみると、より現実を見ることができます。

国民の平均年収を見ると、多くの人は年金月額20万円をもらうことはできないでしょう。

25年間、厚生年金を納めることができなかった人は、より年金月額が少なくなります。

公的年金をサポートするために、iDeCoや個人年金保険の検討も考えたほうが良いでしょう。

参考資料