3. ニデックの通期決算や強気の業績見通しがさらに株価上昇をけん引か
ニデックは4月24日に2023年3月期決算を発表しました。売上高は2兆2428億円で前期比+16.9%となりました。
営業利益は▲41.3%の約1001億円となったものの、構造改革費用約757億円を計上したことが主因であり、同費用がなければ前期よりわずかな増益だった計算です(前期の営業利益は約1704億円)。
本業は業績回復傾向にあり、配当水準も65円から70円の増配となったことなどが、株価の下支え材料になったと考えられます。
また、2023年度(2024年3月期)は売上高は2023年3月期と同程度ながら、営業利益率10%、営業利益2200億円への増益を見込んでいます。
同社が行ってきた構造改革「WPR-X活動」は固定費削減などによる収益性改善を目指す取り組みであったため、利益率の改善は、構造改革の効果を期待しているものと考えられます。
同社が課題意識として持っていた利益率の改善が実現する見込みであることも株価の下支え材料となり、同社の株価は一段と上昇し、6月17日には年初来高値を記録したと考えられるでしょう。
4. ニデックの配当や株主優待とは
ニデックは2013年度以降増配を継続していて、2021年度は65円の配当となりました。
ニデックの配当(1株あたり)推移
さらに2022年度も本業での業績回復を受けて、70円の増配を発表しています。継続的な増配傾向にあることも、投資家需要を下支えする要因となっていると思われます。
そのほか、ニデックは株主優待を実施していて、1株から受け取れる優待もあるのが特徴です。いずれも3月31日に株を保有している株主が対象となります。
4.1 ニデックの株主優待「1株でも受け取れるもの」
- 「オルゴール記念館すわのね」の無料入館リーフレット贈呈、及び商品購入時割引特典(来館時5000円以上の商品をご購入いただいた場合、購入価格の10%割引、オンラインショップ「オルゴールギャラリー」にて5000円以上の商品をご購入の場合10%割引)
- 長野県諏訪郡にある「【NIDECグループ】グリーンサンホテル」宿泊割引特典
※参考:ニデック株式会社「株主優待」
株式保有期間3年以上且つ単元株(100株)以上保有の株主は、オルゴールが当たる抽選に応募することができます。
応募できるオルゴールについては以下の通り(2023年6月時点)。
- 10年以上:高級オルゴール「オルフェウス」 (7万5000~9万円相当)
- それ以下:NIDECオリジナル(5000円相当)
参考資料
- ニデック株式会社「2023年3⽉期 第3四半期 決算説明資料」
- ニデック株式会社「2023年3月期 決算説明会資料」
- ニデック株式会社「2023年3月期決算短信」
- Silicon Valley Bridge Bank – Open for business
- UBS「UBS to acquire Credit Suisse」
- CREDIT SUISSE「Archegos info kit」
- ニデック株式会社「2023年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結) 」
- ニデック株式会社「配当情報」
- ニデック株式会社「株主優待」
宮野 茉莉子