ニデック(6594・旧:日本電産)の株価は年初しばらく横ばいでしたが、3月の金融不安により急落。しかし、その後は円安や業績の回復、そして増配が追い風要因となり5月ごろから株価は上昇傾向になったと考えられます。
ニデック(旧:日本電産)の株価推移(終値ベース。以降も特記ない限り全て終値ベース)2022年12月30日〜2022年6月30日
2023年6月17日には年初来高値を記録しました。今回はニデックの株価について見ていきます。
※株式分割の影響は、株価や配当金、株式数など全て遡及修正して株価を調整しています。
※記事中で記載の株価は全て終値となっています。
1. ニデック(6594・旧:日本電産)の株価は欧米の金融不安が波及か
ニデックの株価は年初来しばらくは横ばいでした。しかし、2023年3月に発生したシリコンバレーバンクの破綻やクレディ・スイスの買収により、金融セクターへの不安で日本株全体が下落する中で、ニデックも急落し3月16日には年初来安値を記録しました。
しかし、金融危機のような事態に発展するとの懸念は次第に後退し、金融セクター固有の材料であると受け取られたため、ニデックの株価は回復しはじめたと思われます。
2. 円安がニデックの株価の速やかな回復の原動力に
ニデックは海外への製品輸出や海外でのビジネス展開を積極的に行っているため、為替の影響を大きく受けます。円安が業績上昇要因、円高が悪化要因となります。
ドル円為替相場の推移(円/ドル)2022年12月30日〜2022年6月30日
ドル円の為替は2022年秋の日銀の為替介入以降、しばらくは円高もしくは横ばい傾向となっていましたが、2023年3月後半ごろから再び円安傾向になりました。
円安がニデックの業績に対する追い風材料となるとの見方から、同社の株価も上向き始めたと考えられます。