内閣府の「令和4年版 少子化社会対策白書」より、「結婚しない人」が増加傾向にあることがわかりました。50歳時の未婚割合の推移を見てみると、1985年以降、男女ともに右肩上がりで上昇。2020年時点では「男性 28.3%・女性 17.8%」となっています。
「おひとりさま」や「ソロ活」といった言葉も耳慣れた昨今。
今後も「おひとりさま」人口は増えていきそうですね。
今回はそんな「おひとりさま」にフォーカスして、お金事情をのぞいていきたいと思います。「おひとりさま」で老後を迎えるにあたり、どのような備えが必要になるのか一緒に考えていきましょう。
1. 【年収別】「貯蓄ゼロのおひとりさま」は何パーセント?
自分一人の資産でやりくりをしなければいけない「おひとりさま」ですが、貯蓄ゼロの方が多いようです。年収が関係しているのでしょうか。
金融広報中央委員会「令和4年(2022年)家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]」より、年収別に貯蓄ゼロの割合を見ていきましょう。
1.1 【年収別】単身世帯「金融資産非保有」の割合
《単身世帯「金融資産非保有世帯」の年間収入》
- 収入はない:61.6%
- 300万円未満:38.3%
- 300~500万円未満:25.2%
- 500~750万円未満:15.0%
- 750~1000万円未満:12.8%
- 1000~1200万円未満:16.7%
- 1200万円以上:33.3%
貯蓄ゼロのおひとりさまのうち、「収入がない人」が61.6%で最多となりました。一方、収入が「1000万円以上1200万円未満」が16.7%、「1200万円以上」が33.3%と、高所得であっても貯蓄ゼロのおひとりさまが多いことがわかりました。
自由に使えるお金が多くある分、計画的にお金を使わなければ、老後を「貯蓄ゼロ」で迎えることになってしまいます。
2. 【世代別】「貯蓄ゼロのおひとりさま」は何パーセント?
「貯蓄ゼロ」のおひとりさまについて、今度は世代別に見ていきましょう。
2.1 【世代別】単身世帯「金融資産非保有」の割合
- 20歳代:42.1%
- 30歳代:32.4%
- 40歳代:35.8%
- 50歳代:39.6%
- 60歳代:28.5%
- 70歳代:28.3%
年齢が若いほど、貯蓄ゼロの方が多い傾向にありますね。一方で、年収がピークを迎えると考えられる50歳代の「貯蓄ゼロ」割合が約40%と高いのが気になります。
50歳代に入れば、老後に向けての準備にラストスパートをかけたいところですが、約4人に1人が貯蓄ゼロです。
老後は年金をもらえるから大丈夫と楽観している方もいるかもしれないですね。しかし、年金だけで十分という方はそう多くはありません。
ご参考までに、いまのシニア世代の方が、毎月どれくらいの年金収入で生活をしているのかを確認していきます。老後をイメージしながら一緒にながめていきましょう。