今年の「24時間テレビ」寄付金総額は前年比21%減に
2017年10月17日、公益社団法人24時間テレビチャリティ委員会は、今年の『24時間テレビ40「愛は地球を救う」』における寄付金の総額が、6億9,915万3,512円であったと発表しました。
この寄付金は、経費を一切差し引くことなく、全額が福祉、環境、災害復興等に活用されることになりますが、今年の寄付総額は前年比▲21%減という大幅減となっています。
「24時間テレビ」は1978年から40年間という長期にわたり行われ、寄付金の累計額は約372億円に達しています。ただし、残念ながら、2014年からは4年連続で寄付金が10億円を下回る結果となっています。
過去24年間の1世帯あたりの寄付金額は平均で約3,400円
ところで、寄付金が増えていないのは「24時間テレビ」だけなのでしょうか。そのことを探るために、総務省の家計調査を見てみたいと思います。
結果は下図の通りですが、大災害があった年を除くと、やはり傾向的には増えていないということがわかります。
過去24年間の1世帯あたりの寄付金額の平均は3,400円ですが、阪神・淡路大震災があった1995年は5,834円、東日本大震災があった2011年は6,579円、熊本地震があった2016年は4,953円と平均を大きく上回っています。
これを見ると、一般的に日本人は寄付に対して消極的と言われるものの、いつもそうとは限らないということがわかります。
寄付大国の米国に比べると大きく見劣りする日本
とはいえ、寄付金の国際比較を行うと、やはり日本の寄付の少なさは目立ちます。日本ファンドレイジング協会による日米英の個人寄付総額比較(2014年)では以下のようになっており、その差は歴然としています。
日本:7,409億円(GDP比率0.2%)1兆538億円
米国:27兆3,504億円(同1.5%)注:1ドル105.8円換算
英国:1兆8,100億円(同0.6%)注:1ポンド170.8円換算
日本の寄付総額は米国の0.4%に留まり、また人口やGDPで日本を下回る英国に対しても約半分にすぎません。こうした統計を見る限り、日本は米英に比べると寄付小国であると言わざるをえない状況です。
今後の注目点
しかし、繰り返しにはなりますが、大きな災害が起きれば寄付金が急増することを考慮すると、日本人にも寄付による「共助」という考え方や「寄付文化」があることは明らかです。
ちなみに、日本の寄付金が米英に比べて見劣りしている背景としては、日本には多額の寄付を行う富裕層が少ないという以外に、寄付金の税控除が認められる団体が少ない、どこに使われるかがわかりにくいなど、様々な改善すべき要因もあると言われています。
まずは、こうした制度や運営などの問題が解決されていくような取り組みに向け、今後いっそう気運が高まることに期待したいと思います。
LIMO編集部