日経平均は反落するが下げ渋り
2023年6月30日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比45円10銭安の3万3189円04銭となりました。3日ぶりの反落ですが、下げ幅はわずかでした。四半期末ということもあり、機関投資家やファンドのリバランス(資産の再配分)、上場投資信託(ETF)の分配金捻出のための売りが見られましたが、ここしばらく急騰していることから押し目買いを狙っている投資家も多く、下げ渋りました。また足元で円安・ドル高が進んでいることから、自動車や機械など輸出関連銘柄が買われました。30日の東証プライムの売買代金は概算で3兆7961億円と4兆円は割れましたが商い自体は堅調です。
今週、日経平均はどのような値動きになるでしょうか。6月30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比285ドル18セント高の3万4407ドル60セントで終えています。同日発表された5月の米個人消費支出(PCE)物価指数の伸びが鈍化したことから、米国のインフレに対する懸念が後退し、買いが広がりました。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も上昇し高値圏となっています。日経平均も週初から上昇することが期待されます。
3日には日銀が6月の全国企業短期経済観測調査(短観)を発表します。企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が改善されれば、株式も買われる展開となるでしょう。ただし、今週7日には6月の米雇用統計が発表されることから、その結果を見極めたいと考える投資家が様子見傾向になる可能性もあります。
景気後退への懸念は和らいでいるものの、追加利上げのペースが気になるところです。足元の相場で難しいのは、経済指標で強い数字が出ても、それにより金融引き締めが長期化すると考える投資家が増えると株が売られることです。
さらに円相場の動向についても注意が必要です。現状は1ドル=145円前後で推移しています。145円を超えて円安が進むと日銀が円買い介入するとの見方もあります。急な値動きになることもあり、柔軟に対応したいところです。
いったん調整するものの、25日線で反発
先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。力強く上昇した後、若干の調整局面になっていました。前週は陰線が続き、25日移動平均線付近まで下落していました。先週はここから反発できるかどうかがポイントでした。実際には、まさに25日線にタッチするかどうかといったあたりから反発し、直近の戻り高値である6月19日の高値(3万3772円)を一時超えるまで値を戻しました。
今後の展開はどうなるでしょうか。25日線付近で反発し、さらに直近の戻り高値も超えたことから、再び中期的な上昇トレンドに戻りました。積極的に上目線でついて行きたいところです。ただし、高値圏が続いていることから利益確定の売りなども出やすいところです。再度、25日線あたりまでの調整がある可能性があります。
中長期的には、ここまで上昇してしまうと、どこを目標にすればいいか判断が難しいところです。結論から言えば、日経平均史上最高値の3万8957円まで視野に入れていいと思います。その過程で、節目節目で押しが入るかもしれませんが、中長期的なトレンドラインが崩れない限りは、「買い」の姿勢で臨むのがいいでしょう。「上がりすぎ、買われすぎ」だからと早々と信用売りなどに回るのはリスクが高いので避けたいところです。
参考資料
下原 一晃