物価高、少子高齢化…現役時代から新NISAやiDeCoなど資産運用の検討を
70歳代の貯蓄と年金をみてきましたが、実際には個人によるところが大きいので、ご自身についてを確認することが重要です。
ただし年金受給額については、令和5年度は物価高により増額になったものの、マクロ経済スライドによる調整により、実質的には目減りとなりました。
少子高齢化の日本においては、今後もこの傾向が続く可能性があり、将来の受給予定額通りにはいかない可能性もあります。
長く働き続けることも大切ですが、「人生100年時代」においては、仕事と公的年金だけでは老後資金が不足する場合も考えられます。
はじめに確認したiDeCoや、2024年からはじまる新NISAといった制度を利用して、資産運用をおこなうのも一つでしょう。
iDeCoやNISAは、通常運用の利益に対して約20%かかる税金が非課税になる制度です。新NISAがはじまることにより、長期的な資産形成が可能となりますから、今から情報収集をおこないましょう。
老後対策は自分で行う時代に。まずは貯蓄習慣を
年金さえあれば安心という時代は終わり、仕事、貯蓄、資産運用などさまざまな方法で「自分の力で」老後に備える時代になっています。
特にひとりで生活するおひとりさまであれば、より自分で老後対策をおこなう必要性が強くなります。
図表1で確認した通り、70歳代ひとり世帯の貯蓄は心もとない方も少なくないですから、まずは貯蓄する習慣を身につけていきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」
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内閣官房「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画 2023改訂版」
宮野 茉莉子