株式市場では業種別(セクター別)株価指数動向を見ていくと、株式市場動向をさらに深く理解することができる。ここでは東証33業種に関して1週間(2017年10月6日から10月12日)の株価動向を振り返る。
業種別振り返り-衆院選を控える中、個別物色の強まった1週間
今週は、サービス業株、建設業株、情報・通信業株を始め、24業種が上昇。輸送用機器のみ変わらず。
2017年8月期決算において、営業利益が前年同期比+27.8%と7月に発表済の上方修正をさらに上回る内容となったことを受け、コシダカホールディングス(2157)は大幅続伸となり、上場来高値を更新。一部証券会社が目標株価を引き上げた大成建設(1801)も年初来高値更新となった。
また、出資先の中国アリババの時価総額が一時米アマゾンを上回ったと報じられたこと等を好感し、ソフトバンクグループ(9984)も年初来高値を更新した。
一方、鉄鋼株、保険業株、石油・石炭製品株、鉱業株を始め、8業種が下落。
自社製品について、検査証明書のデータ改竄を行い、仕様に適合するものとして出荷していた事実が判明したと発表した神戸製鋼(5406)は大幅安となった。
また、北米におけるハリケーン被害等による損害額見通しをグループ全体で約700億円から1,100億円と公表したMS&ADインシュアランスホールディングス(8725)も大幅反落。
米WTI原油先物価格安を背景に、JXTGホールディングス(5020)、出光興産(5019)などの石油・石炭製品株や、国際石油開発帝石(1605)、石油資源開発(1662)などの鉱業株は軟調だった。
今後のマーケット見通しの注目点
今週は、三連休を挟んだものの、日経平均株価が約20年10カ月ぶりの高値水準を付けるなど、TOPIXともに堅調な相場展開であった。衆院選序盤の情勢において、与党自民党で300議席を確保する勢いが伝わり、アベノミクスの継続との思惑はマーケット全体に織り込まれた模様。
こうした中、来週以降は米9月の消費者物価指数、同小売売上高、中国9月の貿易統計等、米中ともに主要経済指標に関心が高まる相場展開となりそうだ。