いよいよ夏が近づいてきました。コロナ禍で開催を見送られていた花火大会やお祭りなどのイベントも、今年はマスクを外して楽しめそうですね。

しかし、夏休み中の旅行は料金が高く、ピークともなればどこへ行っても大混雑。シニア世代になればそのピークをずらして旅行することも可能になるでしょう。そう考えると老後の暮らしが楽しみに感じられますね。

ところが、いまのシニア世代は、年金で悠々自適に暮らしているとは言い難い状況です。少ない年金収入に加え、社会保険料や税の負担は増加傾向。世代を問わず「ゆとりある暮らし」を実感できている人はそう多くないでしょう。

今回は、年金受給世代の暮らしぶりを確認するとともに、年金から天引きされるお金についても整理します。ゆとりのある老後に向けた資産形成について考えるきっかけにしていければと思います。

1.【公的年金】年金制度の再確認

日本の公的年金は、「1階部分の国民年金」と、「2階部分の厚生年金」から成り立つ「2階建て」の制度です。

出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和5年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成

現役時代の働き方によって、「国民年金」だけに加入するか、国民年金に加えて「厚生年金」にも加入するかが決まります。そして、その加入実績は将来の年金受給額に影響するので、早いうちから年金の仕組みを正しく理解しておきましょう。

1.1【1階部分】国民年金について

国民年金は、原則、20歳~60歳までの日本に住む人に加入義務があります。20歳になると学生であっても、国民年金保険料を納めなければいけません。

国民年金保険料は2023年度は月額1万6520円です。保険料は毎年見直しが行われており、2022年度は月額1万6590円、」2021年度は月額1万6610円でした。

20歳以上の学生や、厚生年金に加入している企業や官公庁などにお勤めされない自営業やフリーランスの方は、国民年金保険料を納めて、老後に国民年金を受け取ります。加入期間となる40年(480カ月)の全期間、保険料を納めると満額の国民年金を受け取れますが、未納期間があると満額からその分が差し引かれる仕組みになっています。

1.2【2階部分】厚生年金の対象者

厚生年金保険に加入している会社や官公庁などの事業所にお勤めの会社員や公務員、一定の勤務時間や月額賃金をクリアしたパート・アルバイトの方は、厚生年金の対象です。

厚生年金は年収により保険料が決定し、国民年金部分を含めて「厚生年金保険料」として給与から天引きされています。厚生年金部分の保険料が個人によって異なるため、老後に受け取る厚生年金の受給額には、個人差が大きく表れます。

では、国民年金と厚生年金。それぞれどれくらい受け取れるのか。いまのシニアの平均額で確認していきましょう。