筆者が金融機関に勤めていた頃、女性の上司に「今までで一番楽しかった時期はいつですか?」と聞くと、「今が一番楽しい」という答えが返ってきました。
10年後に同じ質問をしても、きっと同じ答えが返ってくるんだろうなと思うのと同時に、老後を迎えたあとも、自分もそう答えられるくらい悠々自適な生活を送りたいなと感じました。
働き盛りの40〜50歳代。年収のピークを迎える方が多い一方で、日々の生活におわれて将来のお金についてじっくりと考える余裕がない方も多いかもしれません。
しかし、いまから老後の資産について考えるかどうかで、その後が大きく左右されることも事実です。今回は、そんな40代50代のお金事情と資産を増やす2つのポイントについて見ていきたいと思います。
1. 40歳代「みんなの貯蓄額」平均と中央値・分布をみる
まずは、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」をもとに、40歳代の二人以上世帯の貯蓄とその内訳を見ていきましょう。
1.1 【40歳代・二人以上世帯】金融資産保有額
※金融資産を持たない世帯を含みます
金融資産保有額
- 平均:825万円
- 中央値:250万円
1.2 金融資産保有額の分布
- 金融資産非保有:26.1%
- 100万円未満:11.1%
- 100~200万円未満:7.2%
- 200~300万円未満:5.4%
- 300~400万円未満:5.5%
- 400~500万円未満:4.2%
- 500~700万円未満:7.9%
- 700~1000万円未満:7.3%
- 1000~1500万円未満:7.4%
- 1500~2000万円未満:3.8%
- 2000~3000万円未満:5.2%
- 3000万円以上:4.9%
- 無回答:3.8%
2000万円以上の割合が10.1%いる一方で、100万円未満の世帯が37.2%と約3割いることがわかります。住宅ローンや教育費などの出費が多い世帯があることも一因でしょう。
次では、50歳代についても確認します。