3. 変わらない年金制度の中「共働き」が当たり前に

以前までは「男性は仕事、妻は家庭」という考えが主流であり、稼ぎ頭である夫が亡くなった際に家族の経済をサポートするための遺族年金制度でした。

しかし、今では女性の社会進出により共働き世帯が増えたことで、「変わりつつある現代」と「変わらない年金制度の受給要件」が問題視されています。

前述の調査の結果では、約7割の世帯が共働き世帯であることもわかりました。

出所:ブロードマインド株式会社「意外と知られていない「妻側が亡くなるリスク」遺族年金は男女平等ではない!?」

配偶者の職業の半数以上が「会社員」で、次いで公務員、契約社員・派遣社員・扶養外パートです。

また、ブロードマインド株式会社の同調査では、約4割の世帯で夫婦の年収差が300万円未満となっています。

出所:ブロードマインド株式会社「意外と知られていない「妻側が亡くなるリスク」遺族年金は男女平等ではない!?」

上記の結果をみても「共働き世帯」が一般的となっており、収入においても夫・妻との間にあまり差がないという現代の背景が見てとれます。

女性の社会進出により、今や結婚後の男女の役割が変化しつつある現代ですが、「遺族厚生年金」には依然として男女差が生じています。

上記の背景から、現代の多様化された社会に合った「遺族厚生年金の受給要件の見直しをすべきでは」という声が増えつつあります。

4. 万が一に備えて事前の準備をしておこう

本記事では、遺族厚生年金の男女差について、概要や実態調査をもとに解説していきました。

現代では共働き世帯が多くなっており、約4割の世帯が夫婦での年収差が300万円未満という結果となっています。

万が一、妻または夫が亡くなった場合の経済的な負担はどちらも大きいですが、遺族厚生年金の受給要件は依然として男女差が生じています。

「年金・社会保障制度を補完するための民間保険」という適切な保障を受けるためには、社会保険制度の受給額や受給要件を事前に確認しておくことが大切となります。

年収や年齢などでも受給金額は異なるため、ご自身を含め家族それぞれの受給要件・受給金額を一度調べておけると良いでしょう。

参考資料

太田 彩子