【Hasselbladのスゴ技】色々組み替えられて面白い
この907Xは、カメラ本体と画像素子部分のCFV II 50Cにわかれる構造になっています。この背後部分をオールドカメラに付け替えて使うんですが、そのままだとミラーレス一眼として機能します。
連写やオートフォーカスは弱いものの、単体でも素晴らしい描写力を発揮するので現在はEOS R5をほとんど使わなくなりました。865gと思った以上にずっしりしているんですが、この45mmパンケーキレンズとの組み合わせは中判デジタル最小です。
価格もボディだけで80万円前後と超高額ですが、こういう中判デジタルバックの中では最安。FUJIFILMのGFX50S IIも同等程度のスペックですが50万円弱だしレンズも揃えなくてはならない。その点、907XであればVシステムの全ての本体とレンズが使えるので組み替えられる面白さがある分お得に感じました。
907Xは中判ならではのダイナミックレンジの広さで、夕方など暗がりでもシャドウ部分をしっかり描写してくれます。難しい夕方逆光金閣寺も綺麗におさめられました。
500C/MをはじめとするVシステムは最近まで使われていたので、古いものから露出計付きファインダー、連写用モーター付きグリップなど様々なものが発売されています。これら全てをCFV II 50Cと一緒に使うことができるんです。
一度このシステムにしてしまえばレンズも古いものから全て使えるようになるので楽しいです。一番古いシリーズのCレンズだけでも初期の頃のシルバータイプ、ブラックタイプ、世界で数本しか作られていない広角レンズなど選択肢が幅広い。そして状態にもよりますが数万円で購入できるなどリーズナブルです。
状態の良いものを探すのもよし、レアなレンズを探すのもよし、リーズナブルに購入して写りを試すのもよし。システムを組み替えて撮る楽しさは他のカメラにはないものではないでしょうか。
【Hasselbladのスゴ技】定年後の楽しみとしてもアリ
おいそれと買える価格ではないのは確かです。でも私が使っている限り「本当に買ってよかった」というのが正直なところです。見た目も抜群に良いですよね。
50MPのセンサーはそうそう買い替えずともトレンド遅れになりません。中判ですしね。今現在100MPのX2Dが最新のものですが、ポスター印刷したいというニーズでもない限り必要ないでしょう(もちろんセンサー以外にもアップデートが多々あるので動きのある被写体などバリバリ仕事で撮るならアリ。オートフォーカスも早くなっています)。
まとまったお金が入るタイミングで、思い切って趣味としてはじめてみるのも良いと思います。良い写真は良いカメラからって言いますからね。生活の一部として手放せない1台になっています。
参考資料
木村 ヒデノリ