こども未来戦略会議 「こども未来戦略方針」案が2023年6月13日に公表されました。
岸田内閣が掲げる「次元の異なる少子化対策」では、児童手当の拡充などについて盛り込まれています。
一方で、働く女性のためのメディア「PRIME」を運営する株式会社WonderSpaceが、すでに子どもを持つママさんに限定して「子どもの人数を軸に出産のハードル」についてアンケート調査を行ったところ、最も高いのが「1人目の壁」でさまざまな意見が挙がりました(2023年6月7日公表)。
今回は子育て世帯の声と政府の少子化対策をあわせてみていきましょう。
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「1人目の壁」が高いワケ
株式会社WonderSpaceが行った調査で、子どもを生んで育てるにあたって何人目が一番ハードルが高いかを聞いたところ、結果は以下の通りでした。
子どもを生んで育てるにあたって一番ハードルが高いのは?
- 0人→1人:37人
- 1人→2人:23人
- 2人→3人:35人
- 3人→4人:5人
「2人目の壁」という言葉はよく聞きますが、上記を見ると最も高いのは「1人目の壁」であることがわかります。同調査より、みなさんのコメントも確認しましょう。
1位:0人→1人の理由
- 「一人目は初めての子育てで全くわからないことだらけだったのでハードルが高かったです。マニュアル本やネットをかなり読みました。」
- 「子どもがいない時から出産後は生活が一変するから。今まで自分のことだけ考えていれば良かったのに、出産後は子ども中心になるから。」
- 「妊娠により築いてきたキャリアや会社での人間関係を一気に失ってしまうと考えると悲しかったし、今までの努力はなんだったんだろうと思いました。自分を納得させるのに苦労しました。結局、生んでからも自分が手放したものの方が多すぎて、常に葛藤している。」
それまで仕事に邁進しキャリアや人間関係を築いてきたものの、出産によって一気に失ってしまうということ、また産後は生活が一変するという声も挙がりました。
会社員時代は毎日オフィスで働いていたものの、産後はほとんど家にいながら、体も戻らず睡眠不足が続く中初めての子育てをすることになります。生活が一変し、話す人も一気に減り、そのギャップの高さに驚く方は多いでしょう。
内閣府男女共同参画局「令和4年版 男女共同参画白書」によれば、2021年は「雇⽤者の共働き世帯(妻64歳以下)」が1177万世帯、「男性雇⽤者と無業の妻から成る世帯 (妻64歳以下)」が458万世帯となっており、共働きが主流です。
しかし共働きでもフルタイムで働く女性はほぼ増えておらず、パートタイムで働く女性が増えていることがわかります。
仕事と育児の両立は現代であっても「普通にできる」とは言えず、産前のキャリアを持続するのは簡単ではないことがわかります。
「3人目の壁」が高いワケ
次に2位の「2人→3人」を選んだ方の理由を見ていきましょう。
2位:2人→3人の理由
- 「2人までならまだ自分1人だけでも面倒をみれると思うが、3人だと負担がグッと上がってしまい躊躇しそうだから。」
- 「3人目を育てる体力がないのと、全員を大学まで進学させる経済的余裕がないから。」
- 「人数が増えてくると負担に感じることが増えたり、自分の時間が減ってしまうと感じるからです」
3人目となるとひとりで面倒をみれるかや体力が不安という声が挙がりました。
また大学進学に対する経済的な不安の声も挙がりました。大学費用だけでなくそれまでの教育費に習い事費用、生活費を考えると不安に感じる方も多いのでしょう。