3. 天引きされると、厚生年金の手取りはいくら?
要件を満たすと、年金からは税金や社会保険料が天引きされることがわかりました。
いくら天引きされるのか?そして手取りはいくらになるのか?気になるところだと思います。
実際に天引きされる金額は、個々の家族構成や居住地、所得によって異なります。
参考までに、年金が月額15万円の場合で八王子市に居住する場合、天引きされる金額を計算すると年間で約15万円となりました。
月額の手取りに換算すると、13万円台です。
正確に知りたい場合は、日本年金機構から6月に送付される年金通知書を確認してみるといいでしょう。
4.「厚生年金と国民年金」額面ベースだといくら?
最後に、厚生年金と国民年金はみんないくらもらっているのか、額面ベースで確認してみましょう。
厚生労働省が公表する「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考にします。
4.1 厚生年金の年金月額
平均年金月額:14万3965円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3380円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4686円
※国民年金の金額を含む
4.2 国民年金の年金月額
平均年金月額:5万6368円
- (男性)平均年金月額:5万9013円
- (女性)平均年金月額:5万4346円
いずれもグラフを見る限り、個人差が大きいことがわかります。
年金の額は、現役当時に納めた保険料や加入期間によって決まります。特に厚生年金では当時の報酬が大きく関わるため、より個人差が出るでしょう。
さらに天引きされる金額も、老後の生活費も十人十色です。「老後2000万円問題」なども話題となりましたが、実際に必要な老後資金は個々で異なるとわかりますね。
5. 年金額を確認して老後の準備をしよう
年金は老後を支える柱となりますが、そんな年金からも天引きされるお金があります。
天引きされない人もいますが、この場合は「それだけ所得が低い」「天引きと違う形で納める必要がある」ということがわかりました。
老後の負担はやはり重いといえるでしょう。
まずはねんきんネットやねんきん定期便にて、年金の目安額を知ることから始めてみてはいかがでしょうか。
将来の収入目安を知ることで、定年後も働くのか、老後資金の目標額をいくらにするのかなど、明確にしやすいものです。
参考資料
- 厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(2022年12月)
- 厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「Q.年金から所得税および復興特別所得税が源泉徴収される対象となる人は、どのような人でしょうか。」
太田 彩子