6月に支給された年金は前年度比で67歳以下で2.2%、68歳以上で1.9%の増額となりました。
2023年度の年金額は物価高の影響により増額となりましたが、マクロ経済スライドの調整により、実質的には目減りと言えます。
65歳以上で年金生活となり、特にひとりで老後生活を過ごす方にとっては、この物価高に不安を抱える方も多いでしょう。
年々増えている「ひとり世帯」ですが、その貯蓄額はどれくらいでしょうか。今回は65歳以上のひとり世帯に迫ります。
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65歳以上のひとり世帯「男性15%、女性22%」に
65歳以上のひとり世帯は年々増加傾向にあります。
内閣府「令和4年版高齢社会白書(全体版)」 によれば、2020年のひとり世帯の男性は15.0%、女性は22.1%でした。
同調査によれば2040年には男性で20.8%、女性で24.5%に増加すると推計されています。男性の5人に1人、女性の4人に1人がひとりの老後を過ごすことになりますし、家族のかたちは年を経るごとに変化するものですから、誰もがひとりになったときのことを考えておくべきでしょう。
一方で、65歳以上をひとりで過ごすからこそ考えたいのが「老後のお金」のことです。65歳以上の方はどれくらい貯蓄を保有しているのでしょうか。
60~70歳代「ひとり世帯」貯蓄の平均はいくら?
現在60歳以上のひとり世帯の貯蓄額を確認するために、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査令和4年[単身世帯調査](平成19年以降)」をもとに60~70歳代の貯蓄を確認しましょう。
60歳代「ひとり世帯」貯蓄の平均と中央値
- 平均:1388万円
- 中央値:300万円
70歳代「ひとり世帯」貯蓄の平均と中央値
- 平均:1433万円
- 中央値:485万円
平均は一部の富裕層に影響されます。そのためより実態に近い中央値をみると、60歳代で300万円、70歳代で485万円でした。
一時期「老後2000万円問題」が話題となりましたが、こちらは夫婦ふたりで試算されています。とはいえ、人生100年時代の現代において、ひとりの老後の生活費用や介護が必要になったときを考えると、できるだけ貯蓄を用意したいという方が多いでしょう。