ひとりの老後「月の収支」の想定を
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査令和4年[二人以上世帯調査](平成19年以降)」をみると、60歳代の中央値は700万円、70歳代は800万円でした。
二人以上世帯であっても中央値は700~800万円となっており、2000万円に届くのは一部だということがわかります。
貯蓄が少なくても公的年金で生活できればよいのですが、年金は加入状況により個人差が大きいもの。
参考までに厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、厚生年金の月1万円未満~30万円以上の受給権者数を1万円ごとに見てみましょう。
生年金の平均年金月額(令和3年度)は全体で14万3965円ですが、男性で16万3380円、女性で10万4686円と約6万円の差があります(※国民年金部分を含む)。
また実際には月1万円未満~30万円以上まで確認すると、個人差が大きいことがわかるでしょう。年金は加入期間や収入に応じてこれだけ個人差が出るのです。
今回確認したように、貯蓄も年金も個人差が大きいのが現実です。
まずは将来の年金受給予定額をねんきんネットやねんきん定期便で確認し、また生活費も想定して、老後の収支を確認することが大切です。
ひとりの老後対策は複数の選択肢を
老後のおおよその収支を確認してみると、毎月の不足額がわかります。また、生活費以外にも、旅行や趣味、病気や介護のときなどの老後資金も備えておく必要があります。
少子高齢化、かつ人生100年時代の現代では、「長く働き続ける、将来の公的年金額を増やす工夫をする、NISAやiDeCoなど資産運用をおこなう」などの対策が必要でしょう。ご自身に合った複数の選択肢で老後に備える方法を考えてみてください。
参考資料
- 内閣府「令和4年版高齢社会白書(全体版)」
- 総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)2022年(令和4年)平均結果(二人以上の世帯)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査令和4年[単身世帯調査](平成19年以降)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査令和4年[二人以上世帯調査](平成19年以降)」
- 厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
宮野 茉莉子