内閣府が公表した「令和4年版 少子化社会対策白書」によると、50歳時点での未婚割合は以下のように推移しています。

出所:内閣府「令和4年版 少子化社会対策白書」

《1990年》
・男性:5.6%
・女性:4.3%
《2020年》
・男性:28.3%
・女性:17.8%

ここ30年で男女とも50歳時点での未婚率が右肩上がりになっていることがわかります。

生涯未婚率も上昇している昨今、老後を一人で過ごすという選択を取る方も増えています。ちなみに、総務省統計局が公表した「家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯の月の支出は「14万3139円」となっています。

老後生活の一つの柱になる「年金」ですが、この約15万円の生活費を賄うだけの金額を受給できるのでしょうか。今回は、「おひとりさま」の年金事情に迫ってみようと思います。

1.「おひとりさま」の国民年金受給額は?

では、早速、国民年金から見ていきます。

厚生労働省年金局が公表した「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、年金の受給分布は以下のようになっています。

出所:厚生労働省「「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」」をもとにLIMO編集部作成

1.1《国民年金の平均受給額》

  • 男性:5万9013円
  • 女性:5万4346円
  • 全体:5万6368円

1.2《国民年金の受給額分布》

  • 1万円未満:7万27人
  • 1万円~2万円未満:28万4152人
  • 2万円~3万円未満:90万3006人
  • 3万円~4万円未満:274万9550人
  • 4万円~5万円未満:463万6048人
  • 5万円~6万円未満:791万730人
  • 6万円~7万円未満:1500万3006人
  • 7万円以上:187万2466人

2023年度の国民年金の満額支給は、6万6250円(既裁定者は6万6050円)。20歳から60歳になるまでの40年間(480カ月)、保険料を全て納めた場合に受け取ることができる金額です。

もし仮に国民年金を満額受け取ったとしても、月の生活費15万円には届かないですね。