株式市場では業種別(セクター別)株価指数動向を見ていくと、株式市場動向をさらに深く理解することができる。ここでは東証33業種に関して1週間(2017年9月22日から9月28日)の株価動向を振り返る。

業種別振り返り-市況関連株の値動きが荒かった1週間

今週は、繊維製品株、鉱業株、ガラス・土石製品株を始め、28業種が上昇した。

一部証券会社が投資判断および目標株価を引き上げた東レ(3402)が年初来高値を更新。米WTI原油先物価格高を受け、国際石油開発帝石(1605)や、石油資源開発(1662)などの鉱業株も値を上げた。

また、2018年3月期の営業利益見通しの下方修正を発表済みのTOTO(5332)には、買い戻しと思われる動きが見られた。

一方、電気・ガス業株、海運業株、不動産業株を始め、4業種が下落。

小池東京都知事の「希望の党」が原発ゼロ政策を打ち出したことをきっかけに、東京電力ホールディングス(9501)、関西電力(9503)などの電気・ガス業株は大幅安。

米WTI原油先物価格高から、燃料費等のコスト高が意識された日本郵船(9101)、商船三井(9104)などの海運業株も値を下げた。これまで買われていた三菱地所(8802)、三井不動産(8801)などの不動産株は利益確定と思われる売りに押された。

今後のマーケット見通しの注目点

今週は、1ドル=113円台の円安・ドル高を背景に、米国株式市場、東京株式市場ともに堅調な相場展開だった。共和党の税制改革については、改正案に具体性の乏しさが目立ち、マーケット全体への影響は今のところ軽微なものに留まっている。

来週以降は、米国の税制改正案のうち、特に連邦法人税改革が各国の税制にどのようなインパクトを与えるかに関心が集まると見られる。また、個人所得税の税区分が7段階から3段階に簡素化されたほか、子育て世帯の税控除の拡大、遺産税(日本の相続税)の撤廃も表明されており、今後、米国の小売株を中心にどのような影響があるか注目される相場展開となりそうだ。

出所:SPEEDAおよび東証で取得したデータをもとに筆者作成

岡野 辰太郎