近年は共働き世帯と待機児童が増加していることから、親の協力が得られる二世帯住宅の建築を検討している方が増加傾向にあるようです。

実際に二世帯住宅は共働き率との関係性が高く、三世代同居で祖父母に子供を見てもらえる環境が女性の社会進出を後押ししているといえます。

しかし親世帯と子世帯とではそれぞれライフスタイルが異なるので、建ててから後悔することがないように、事前にお互いのライフプランを良く考えて計画することが大切です。

そこでこの記事では、岡山県在住の30代男性(子世帯の夫)が実際に二世帯住宅を建てた体験談を元に、二世帯住宅のメリット・デメリットや注意点などを紹介します。

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二世帯住宅のメリットとデメリット

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二世帯住宅には、主に完全同居型、部分共有型、完全分離型の3つのタイプがありますが、この事例は一部の部屋や設備を必要に応じて共有する「部分共有型」になります。

岡山県在住の30代男性が「建ててから感じた部分共有型二世帯住宅」のメリットとデメリットは次のようになります。

●部分共有型二世帯住宅で満足しているポイント

  • 広いリビングを二世帯で共有することで、家族団らんの場となって良い
  • それぞれの世帯の妻が一緒にキッチンに入って作業できるように広いスペースを確保したので、調理仕事がはかどる
  • トイレを複数設けたので、混雑していても空いている方が使えて便利
  • 1階と2階にそれぞれベランダを設けたので、一度にたくさんの洗濯物が干せて便利
  • 二世帯住宅をそれぞれの世帯で共有しているケースでは連帯して固定資産税の納税義務を負うことになるので、どちらかが納付すればもう一方の納税義務は消滅し、老後の親の負担を減らすことができる

「特に自分の子供が毎日祖父母と顔を合わせられるので、教育の面でも好ましく感じる」と語られます。

 

●部分共有型二世帯住宅で不便に思うポイント

  • リビングやキッチン、浴室が共有なので、食事の準備や入浴の時間が制限される
  • 個人の部屋が多いためその分掃除が大変で、電気代などの維持費がかさむ
  • 世帯が2つあることで、親世帯、子世帯、どちらの世帯にとっても客人を呼びにくいと感じる

二世帯住宅のタイプ

二世帯住宅は戸建て2軒分の建築費用よりも少額で建築することが可能ですが、2つの家族が同じ建物に住めるようになっているので、通常の戸建住宅よりも建築資金が嵩みます。

そして前述したように二世帯住宅には主に3つのタイプがあり、それぞれの特徴は次のようになります。

出所:LIMO編集部作成

●完全同居型

通常の一戸建住宅に二世帯が同居するタイプで、建築費も二世帯住宅の中では最も安く、将来一世帯となった時にも工事不要でそのまま利用することができます。

●部分共有型

玄関は共有ですが、フロアごとに親世帯、子供世帯といったように居住スペースを分けて生活するタイプです。

1階2階それぞれに浴室やトイレ、キッチン等を設置するケースや、浴室、キッチン、リビングを共有するケースなどがあります。

同居ではないもののお互いの距離が近くて自由に行き来ができ、建築費用も完全分離型と比べて共有する部分が多くなるほどローコストで済むというメリットがあります。

●完全分離型

玄関を2箇所設けて、完全に居住スペースを分離して生活するタイプです。

建築費は3タイプの中で最も高くなりますが、お互いのプライバシーが守られ、電気、水道、ガスなどの公共料金を世帯別に分けることが可能です。

また将来一世帯となった時には、半分を賃貸して家賃収入を得ることもできます。

ただし共有部分が少ないので、積極的にコミュニケーションをとらなければ、お互いに顔を合わせる機会が少なくなりがちです。

二世帯住宅を建てる際の注意点

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二世帯住宅を建てる際には、建築費用ばかりを優先して安易に完全同居型や部分共有型を選んでしまうと、後悔してしまうことにもなりかねません。

建築後の生活や親の老後のことをイメージして、お互いが長く快適に暮らしていけるように計画することが大切です。

そのためには、工事に着手する前に資金計画や費用負担の割合を決めるのはもちろん、遮音性・断熱性・省エネ性・バリアフリー性などといった住宅性能も非常に重要になります。

また水道光熱費、修繕費といった建築後のランニングコストの負担配分や、入浴や食事の時間、家事の負担割合なども事前に話し合って決めておく必要があります。

住み始めてしまうと不満があってもお互いについ我慢してしまうようになるので、生活のルールを事前にしっかりと決めておくことをおすすめします。

二世帯住宅のまとめ

二世帯住宅には多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。

ライフスタイルが異なる親世帯と子供世帯が、お互いにストレスを感じることなく快適に暮らせるようにするためには、事前に入念な計画を立てることが重要です。

参考資料

亀田 融