リコーダーの良いところは誰でも吹いたことがあるところですよね。逆に悪いところはちょっとダサいところ(笑)「Elefue(エレフエ)」はそんなデメリットを解消してあまりある見た目と性能が魅力です。実はバークリー音楽大学卒でガジェットレビュワーをやっている筆者も大いに満足できました。

【進化したリコーダーの実力を検証】素人から玄人まで楽しめる!

久しぶりにリコーダーに触るということで運指を忘れているところもあるんですが、吹いているうちに指が思い出してきます。このあたりは学校教育の賜物ですね。

さらにエレフエは運指モードをリコーダーモード(ジャーマン式、バロック式)とシンプルモードから選ぶことができます。私はリコーダーモードの方が頭に入っていたので吹きやすかったですが、サックスなど他の管楽器に慣れてしまった人にはシンプルモードの方が向いていることもあるようです。

筆者撮影

吹いてみると3オクターブも音域があるのでほとんどの曲が演奏できます。慣れてくるとブレスやタンギングで音を変えたり、息の使いでビブラートをかけてみたりと細かな表現も可能。これは玄人でも極め甲斐があるなと感じました。

一方でリコーダーを吹いたこともない4歳の娘も気に入ってよく吹いています。4歳児にリコーダーは指が小さいこともあり、穴がしっかりと押さえきれないなどの難しさがあります。エレフエならタッチセンサー式なのでそういった難しさがなく、入門楽器や教育楽器としても優れていると思いました。音楽高校で教師をしていた私としても太鼓判が押せます。

【進化したリコーダーの実力を検証】機能性も高く、1万円台の楽器とは思えない

安い電子楽器はおもちゃと思われがちですが、エレフエは1万3860円という価格ながら演奏や教育に十分な機能を持っています。先ほどの運指にしてもジャーマン式とバロック式両方に対応しているのは優秀です。

画像元:全音楽譜出版社公式サイト

画像元:全音楽譜出版社公式サイト

ファの音の押さえ方がちょっとわかりづらいですが、半音階の吹きやすさやアルトリコーダーでも使えることを考えると個人的にはバロック式で子供に教えたいところ。そんな時もエレフエなら対応できるから便利です。

音色は9種類(ソプラノリコーダー、瓢箪笛、テナーサックス、アルトサックス、ソプラノサックス、バンブーフルート、フルート、クラリネット、トランペット、チャルメラ)から選べるし、トランスポーズ機能があるので、同じ運指のまま別の調性で演奏できます。ヘッドフォン端子も装備し、充電で最大3時間演奏できるので練習がどこでもできるというのも楽しいところ。

筆者撮影

音色をバンブーフルートにして「コンドルは飛んでいく」など民族音楽を吹いてみるとなんとも言えない癒しを感じます。トランペットの音もリアルなので、大人はジャズの曲を練習してみてもいいかもしれません。

マウスピースが取って洗えるなど細かいところまで配慮されていて、これはもうおもちゃではなくしっかりとした「楽器」だと言えると思いました。

【進化したリコーダーの実力を検証】ワイヤレスMIDIで活用の幅が無限大

Bluetoothで対応する機器にワイヤレス接続できるのもすごいと思います。この価格でこの機能があるのは珍しい。KORGからリリースされているiDS-10やModule、FMシンセのKQ Dixieなど対応するiPhoneアプリをエレフエで演奏できます。

筆者撮影

若干のタイムラグがあるので慣れが必要ですが、エレフエ本体の音量をゼロにして吹けば十分演奏できます。リコーダーでシンセの音が使えるのは新鮮ですね。リコーダーを使ってMIDI入力できるのでDTMの入力機器としても活用できます。鍵盤が苦手という人には朗報なのではないでしょうか。

正直1万円台でここまでできるのには驚きです。どこにでも持ち運べるし、アイデア次第で高度な演奏も可能になるこの楽器、1つ持っていても損はないと思います。鍵盤楽器を長くやってきた自分としては、持ち運べてどこでもすぐに演奏が披露できる楽器は魅力的。DJが身につけてパフォーマンスに取り入れる、なんてこともアリだと思ってしまうほど可能性が詰まった楽器でした。

参考資料

木村 ヒデノリ