日経平均は乱高下し大幅に反発

2023年6月9日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比623円90銭高の3万2265円17銭となりました。前日までの2日間で860円ほど下げていましたが、その下げ分を取り戻すように大幅に反発しました。8日の米株式市場でダウ工業株30種平均が3日続伸したことを受けて、日本株も買われました。ファーストリテイリング、三井物産、三菱商事などが年初来高値を更新しました。

今週、日経平均はどのような値動きになるでしょうか。9日の米株式市場でダウ平均は4日続伸し、前日比43ドル17セント高の3万3876ドル78セントで終えています。日本株も底堅い展開になることが期待されます。ただし、13~14日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれることから、内容を見極めたいというムードになるかもしれません。ダウ平均は4営業日で280ドルあまり上昇しているため、利益確定の売りも出やすいところです。日本株も若干の調整はあるかもしれません。

今週は、日米欧の中央銀行の金融政策が相次いで発表されます。15~16日には日銀の金融政策決定会合が開かれます。植田和男日銀総裁は現状の金融緩和政策を継続する姿勢を示しています。サプライズになるような大きな政策修正はないと見込まれています。15日には欧州中央銀行(ECB)理事会が行われます。0.25%の追加利上げが予想されています。米国では13日に5月の米消費者物価指数(CPI)が発表されます。13~14日に開かれるFOMCでは、いったん利上げを見送るとの見方が広がっていますが、CPIの結果いかんによっては投資家が利上げ継続と判断することもあるため注意が必要です。

そういった点からも、今週はなかなか判断が難しい相場になりそうです。年初来高値を更新するなど、一段上のステージに上がるようであれば積極的に付いて行きたいところですが、高値圏でもみ合いになる可能性もあります。その場合は、好業績企業を中心に個別銘柄を物色する戦略となるでしょう。

連日でバブル後最高値を更新

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。非常に力強い動きが続いています。前週にバブル後最高値を更新。先週もさらに連日で高値を更新しました。7日には窓をあけて上昇して寄り付きました。引けにかけては陰線となりましたが、ザラ場では一時、3万2708円まで上昇しました。

今後の展開はどうなるでしょうか。チャートは主要な移動平均線が、下から200日線、75日線、25日線と並び、さらにこれらが扇形に開いています。強い上昇トレンドを示しています。トレンドラインを引いても、押しに達しないうちに上がってしまっており、「押し目待ちに押し目なし」といったところ。なかなか難しい局面ですが、このような急上昇局面では、先週のように大幅下落した後に大幅反発といった動きが起きることが多く、狙っていきたいところです。

今週の動きとしては引き続き先週の流れを受けて上昇するパターン、3万2000円をはさんでもみ合うパターンなどが想定されます。下値メドは、短期的には先週の安値(6月8日の3万1420円)あたり。このあたりを割り込むと、25日線あたりまで下落する可能性もありますが、25日線を割るまでは押し目買いの好機と見ていいでしょう。上昇の判断が難しければ、先週のザラ場高値(6月7日の3万2708円)を超えて、下値がサポートされるのを確認してからでもいいでしょう。

参考資料

下原 一晃