2. 6月支給分の「厚生年金・国民年金」から天引きされるお金4つ
厚生年金や国民年金から天引きされるものとして、「介護保険料、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、住民税」などがあります。
なお、人によっては複数の公的年金を受給しているケースもあり、その場合は政令で定められた優先順位(1番目は国民年金、2番目は退職年金、3番目は障害年金・遺族年金)に基づいて天引きされます。
2.1 1.介護保険料
厚生年金や国民年金から介護保険料が天引きされるのは、65歳以上の老齢年金・退職年金・障害年金などを受給している方で、年間の受給額が18万円を超える方です。
年金は年に6回、偶数月に支払われていますが、介護保険料も年に6回、自動的に年金から天引きされます。
せっかく振り込まれる年金から「天引きされたくない」と考える方もいるかもしれませんが、介護保険料は特別徴収することが法律で決められているため、特別徴収か普通徴収(銀行窓口やコンビニなどでの納付書払い)かを自分で選択することはできません。
2.2 2.国民健康保険料
国民健康保険料の納付においても、年金からあらかじめ天引きする特別徴収の仕組みが取られています。
対象となるのは、65歳以上75歳未満の「後期高齢者医療保険制度」に該当しない方で、老齢年金・退職年金・障害年金などを年間18万円以上受給している方です。
なお、国民健康保険料と介護保険料の合計額が、各支払期の年金額の2分の1を超える場合は、国民健康保険料の天引きは行われません。
国民健康保険料も原則として特別徴収されますが、市区町村によっては口座振替への変更が可能なところもあります。年金からの天引きをしたくない場合は、市区町村の窓口に相談してみましょう。
2.3 3.後期高齢者医療保険料
後期高齢者医療保険料の天引きが対象になるのは、75歳以上の方もしくは65歳以上75歳未満で後期高齢者医療保険制度に該当する方で、老齢年金・退職年金・障害年金などを年間18万円以上受給している方です。
ただし、後期高齢者医療保険料と介護保険料の合計額が、各支払期の年金額の2分の1を超える場合、後期高齢者医療保険料の特別徴収は行われません。納付書での普通徴収となります。
2.4 4.住民税
年金から住民税が天引きされるのは、その年の4月1日時点において65歳以上で老齢年金・退職年金の受給者であり、年間の年金額が18万円以上の方です。
ただし、介護保険料が年金から天引きされていない方や、住民税額が年金額を上回る場合などは特別徴収が行われません。
特別徴収の対象者には、毎年6月に市区町村から税額決定・納税通知書が送付されるので、天引きされる金額を確認できます。
3. 6月送付の年金振込通知書で控除後振込額の確認を
厚生年金や国民年金からは介護保険料や国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、住民税など天引きされる保険料や税金があります。
そのため、支給額(額面)だけでご自身の受給額を考えていると、実際に受け取る年金額が少なく、老後の生活費に影響が出ることがあります。
年金振込通知書が手元に届いた際は、支給額だけでなく天引きされるものや金額、控除後振込額も忘れずに確認しましょう。
参考資料
- 日本年金機構「年金からの介護保険料、国民健康保険料(税)、後期高齢者医療保険料、住民税の特別徴収」
- 日本年金機構「年金から介護保険料・国民健康保険料(税)・後期高齢者医療保険料・住民税を特別徴収されるのはどのような人ですか。」
- 厚生労働省「介護、国保、後期高齢における保険料(税)の特別徴収について」
- 日本年金機構「年金振込通知書」
木内 菜穂子