【イタリア】戦後に誕生したローマのピッツァ

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ローマのピッツァの歴史は実はそれほど長くありません。その変遷をたどってみましょう。

カリカリとした食感が特徴

ローマのピッツァは、ナポリのものとは対照的にカリカリとした食感が特徴です。ローマ風ピッツァの誕生は、第2次世界大戦後のことでした。

カリカリとした食感と薄い生地が特徴のローマのピッツァは、ナポリと双璧といわれるほどの人気を誇ります。お皿からはみ出るほど大きなローマのピッツァ、もちろん観光客にも大人気です。

ローマの切り売りピッツァとは

ところでローマには、もうひとつ気になるピッツァがあります。それが切り売りのピッツァ。

様々な種類のピッツァが並ぶ店頭で、好きなピッツァを好きな大きさにカットしてもらい購入するシステムです。このピッツァの販売方法は、なぜかローマを中心としたラツィオ州に集中しています。

丸い大きなピッツァを食べきれない場合や、小腹が空いたときのおやつとして、ローマの切り売りピッツァはローマっ子の生活に根づいているのです。

【イタリア】ナポリとローマのピッツァの違いは?

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見た目も食感も異なるナポリとローマのピッツァ。原材料や製造過程はどのように違うのでしょうか。

その1.製造方法の違い

それぞれのピッツァの食感の違いは、製造過程にあるといわれています。ナポリのピッツァは、職人たちが投げるようにして手で生地を広げていきます。一方ローマのピッツァは、綿棒を使って薄く伸ばして作っていくのです。

ナポリのピッツァは土手が高めですが、ローマのほうは均一の厚さであるのは、こうした製法の相違に因ります。

その2.水分量の違い

一般的にナポリのピッツァは、生地に対して水分量が60~65%とされています。ローマのピッツァの場合は、水分量は55~60%。つまりナポリのピッツァは水分量が多く、これもまた食感の違いの原因といえるでしょう。

その3.オイルの有無

ナポリもローマ、いずれのピッツァの原料は小麦粉、イースト菌、塩であるところまでは同じ。

大きな違いはオイルの有無にあります。ナポリのピッツァは油脂を使用しませんが、ローマではオリーブオイルやラードを用いるのが通常。ローマのピッツァはサクッとした味わいになる理由です。

【イタリア】ナポリもローマもピッツァはおいしい!

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ナポリとローマのピッツァ、食感も見た目も異なりますが、それぞれの職人たちが威信をかけて作っていることは変わりありません。2つのピッツァの共通点、それはどちらもおいしい!という点にあります。

週末、友人や家族とともに屋外でピッツァを頬張る風景はイタリアの夏の風物詩。ぜひみなさんもその仲間入りをして、おいしいピッツァを堪能してみてください。

参考資料