6月・7月は、ボーナス支給月という企業が多いようです。楽しみですね。

毎月、給与明細を見て「額面」と「振込額」の差にガッカリする方もいると思いますが、ボーナスからも税金や保険料が天引きされます。

老後に受け取る老齢年金(国民年金や厚生年金)でも天引きされるものがあるため、はじめて年金をもらう時に「思っていたより手取りが少ない…」とショックを受ける人も少なくないようです。

そこで本記事では、「年金から天引きされる項目」について解説し、今のシニアの年金事情についてもチェックしていこうと思います。

1.【老齢年金】公的年金の仕組みをおさらい

まずは公的年金の仕組みをおさらいしておきましょう。

出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和5年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成

日本の公的年金は、1階「国民年金(基礎年金)」と2階「厚生年金」の2階建て構造になっています。

1.1 「国民年金」:1階部分

日本に住む20~60歳未満の方は国民年金に加入します。国民年金の保険料は一律で、2023年度は月額1万6520円です。自営業や20歳以上の学生などの第1号被保険者と、厚生年金に加入する会社員や公務員などの第2号被保険者に扶養される配偶者(第3号被保険者)は国民年金のみとなります。

1.2 「厚生年金」:2階部分

厚生年金は、公務員や会社員などが加入し、保険料は納付期間中の収入や加入期間によって計算されます。保険料が一律の国民年金とは違い、収入が高ければ保険料も高くなる仕組みです。上限はありますが保険料が高い人ほど、将来受け取る厚生年金の受給額も高くなります。

2.【老齢年金】年金から天引きされるお金

老後、年金受給開始時・年金受給開始後には「年金振込通知書」にて額面と天引き後の実際の振込額を確認することができます。

現役時代の方は、受給額が確定していませんので、これまでの年金加入記録に基づいた現時点での受給見込額を「ねんきん定期便」で確認しましょう。ただし、「ねんきん定期便」に記載されている金額は「額面」の見込額となりますのでご注意ください。

「ねんきん定期便」は、毎年誕生月に郵送で届きます。年に1度、セカンドライフについて考える良いきっかけとなるので、ぜひ届いたら確認してみてくださいね。では老齢年金からは、どのようなお金が天引きされるのか。一緒に確認していきましょう。

2.1 介護保険料

介護保険は40歳から健康保険料に上乗せする形で納めます。年額18万円以上の年金を受給している場合に、年金から天引きされます。

2.2 健康保険料

健康保険料も、原則年金からの天引きです。また、75歳以降に加入する後期高齢者医療制度の保険料も天引き対象になります。年額18万円以上の年金を受給している場合に、年金から天引きされます。

2.3 個人住民税

住民税は、前年度の収入によって計算されます。新年度分の住民税は、6月から翌5月にかけて年金から天引きされます。

2.4 所得税

所得税は年金額やその他の所得などによって異なります。年金額から各種控除や社会保険料を差し引いた課税対象額により決定します。