さまざまな分野で値上げが相次いでいますが、映画館にもその波は押し寄せています。先駆けて、TOHOシネマズが2023年6月1日に一般料金を1900円から2000円に値上げ。他のシネコンについても今後の動きが注目されています。

ただ映画館にはサービスデーなど、通常より安く鑑賞するための手段もいくつか用意されています。今回はTOHOシネマズとイオンシネマズの料金体系と割引制度を比較して、どちらがおすすめなのか調べてみました。

【TOHOシネマズvsイオンシネマズ】料金体系

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一般

  • TOHOシネマズ:2000円(2023年6月1日から)
  • イオンシネマズ:1800円

大学生・専門学校生

  • TOHOシネマズ:1500円(2023年6月1日以降も据え置き)
  • イオンシネマズ:1500円

高校生

  • TOHOシネマズ:1000円(2023年6月1日以降も据え置き)
  • イオンシネマズ:1000円

小中学生

  • TOHOシネマズ:1000円(2023年6月1日以降も据え置き)
  • イオンシネマズ:1000円

幼児

  • TOHOシネマズ:1000円(2023年6月1日以降も据え置き)
  • イオンシネマズ:900円

TOHOシネマズの一般料金は2023年6月1日に2000円に値上げしますが、注意したいのは値上げの範囲。実は大学・高校・中学・小学生・幼児などの価格は据え置きです。

一方、イオンシネマズは各社が値上げを敢行した2019年のときも値上げをせず、大手シネコンでは唯一「一般料金1800円」を維持しています。

【TOHOシネマズvsイオンシネマズ】割引制度

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サービスデー

<TOHOシネマズ> ※2023年6月1日の価格改定後の料金

  • TOHOウェンズデイ(水曜日は誰でも1300円)
  • シネマイレージデイ(火曜日は会員限定で誰でも1300円)
  • ファーストデー(毎月1日は誰でも1300円)
  • auマンデイ(月曜日はauスマートパスプレミアム会員/auスマートパス会員なら一般・大学生が1100円、高校生以下が900円) 

<イオンシネマズ>

  • ハッピーファースト(毎月1日は誰でも1000円)
  • 映画の日(12月1日は誰でも1000円)
  • ハッピーマンデー(月曜日は誰でも1100円、一部劇場は実施なし)
  • お客様感謝デー(毎月20・30日はイオンマークのクレジットカード提示もしくはオンライン決済で1100円)

障がい者割引

  • TOHOシネマズ:1000円(2023年6月1日以降も据え置き)
  • イオンシネマズ:1000円

入場時間帯による割引

  • TOHOシネマズ:レイトショー(20時以降の上映作品は誰でも1500円)
  • イオンシネマズ:ハッピーナイト(20時以降の上映作品は誰でも1300円)、ハッピーモーニング(平日10時台までの作品は誰でも1300円)

年齢による割引

  • TOHOシネマズ:シニア割引(60歳以上は1300円)
  • イオンシネマズ:ハッピー55(55歳以上は1100円)、夫婦50割引(どちらかが50歳以上の夫婦は2200円)

どちらも多彩な割引制度を用意していますが、TOHOシネマズは2023年6月1日にこれらの料金も100円ずつ値上げしているものがほとんどです。同様の割引制度であってもイオンシネマズは200円安く設定されています。また、月曜日は誰でも1100円になるハッピーマンデーや平日10時台の作品が誰でも1300円になるハッピーモーニングがあるのも特筆すべきポイントです。

【TOHOシネマズvsイオンシネマズ】会員制度

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<TOHOシネマズ:シネマイレージ>
入会費:500円 更新費(1年ごと):300円

  • 映画を有料で6本鑑賞すると1本の無料鑑賞券をプレゼント
  • 上映時間に応じて貯まるマイルを限定グッズやフードに引き換え可能
  • 火曜日は会員限定でチケット料金が1300円に
  • インターネットチケットを通常より3時間早く購入可能

<イオンシネマズ:ワタシアタープラス>
入会費:400円 更新費(1年ごと):400円

  • 入会時と毎月1日に1200円鑑賞クーポンをプレゼント
  • オンラインチケット(e席リザーブ)の先行購入が可能
  • 映画鑑賞ごとに「ミタ」が貯まり、2ミタで1300円クーポン、6ミタで1回分の無料鑑賞クーポンをプレゼント
  • 会員限定の飲食売店クーポンをプレゼント

【TOHOシネマズvsイオンシネマズ】どちらがお得?

2019年の各社の値上げに乗らなかったイオンシネマはもともと大手シネコンの中でも価格が安いのが魅力でしたが、今回のTOHOシネマズの値上げでさらにその優位性は強くなりました。割引制度も他社にはない使いやすいものが揃っています。

どちらも制度が複雑化していることは否めませんが、利用時は「いつ」がお得になるのかしっかり把握しておくとよいでしょう。もちろん映画館の魅力は料金だけではありません。劇場のグレードや上映されている作品、ドリンク・フードの充実などもポイントになります。総合的に判断した上で、鑑賞する映画館を選択することをおすすめします。

参考資料

大蔵 大輔