生演奏を自宅で…いつの時代でも贅沢な音楽の楽しみ方ですよね。音楽家を呼ぶのは流石に難しいですが、オルゴールなら生演奏を自宅で気軽に楽しめます。今回見つけた「Primotone(プリモトーン)」は職人の繊細な仕事とテクノロジーが融合した最新の楽器。その日の気分に合わせた曲を毎日自動演奏してくれます。

【約70万円の高級オルゴール】生演奏が聴ける贅沢を日常に

プリモトーンはオルゴールなのにシリンダーがありません。データから最適なタイミングで最適に櫛をはじく技術でどんな曲でも1台で演奏を可能にしています。プリモトーンはミドルランクであるマホガニー製で69万3000円とかなり高額ですが、年配の方を中心にホテルや百貨店でかなり売れているそう。なぜ売れているのかその魅力に迫りたいと思います。

これまでのオルゴールは曲ごとにシリンダーやソノシートを変える必要があったので連続して演奏することが苦手でした。一方、このプリモトーンは音楽ではMIDIデータを使うことで連続演奏と楽曲の追加が可能になっています。

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筆者撮影

曲を再生するだけならスマホでいいんじゃない?と思っている方、実は音の出方が全然違うんです。スマホなど一般的な音源では耳に聞こえる範囲の音しか鳴っていない上に、スピーカーから発せられるので音が直線的です。

対して生演奏のプリモトーンでは楽器の上や横、後ろからも音が鳴る上に、豊富な倍音成分(人間には聴こえないが響いている音)が含まれているので心理的なリラックス効果も高いと言われています。

これを自宅で体験できるのがプリモトーンのすごいところ。生演奏で豊富な曲が再現できるというのはなんとも贅沢ですね。

【約70万円の高級オルゴール】528Hzで調律されているのも珍しい

「調律」という概念も生演奏する機械ならではです。私たちが普通耳にする曲はラの音が440Hzに設定されています。それを少し高くして444Hzにするとどうでしょうか。耳では同じラの音に聞こえるのですが、この設定にするとドの音が528Hzになります。

528Hzの音はソルフェジオ周波数と呼ばれ、古くはグレゴリオ聖歌などに使われてきました。面白いことにこの528Hzの音はストレス軽減効果があるという医学論文が順天堂大学から発表されています。

現代ではピアノの鍵盤にあるように12個に区切られた音階が使われているため、この528Hzの音は出てきません。ですからこの音を聴こうとしても普段聴いている音楽には含まれていないんです。

プリモトーンは櫛をこの528Hzが含まれる音階に調律してあるので、再生している間中528Hzの音を耳にすることができます。こうした点も楽器ならではのメリットではないでしょうか。

【約70万円の高級オルゴール】職人技とテクノロジーが生んだ稀有な存在

そもそもオルゴールの櫛というのは非常に繊細で、作れる職人が限られています。これを所有する、というだけで一定の満足感がありますよね。

さらにすごいのはこの櫛の限られた音階を使ってさまざまな楽曲をはさせる技術力。機巧はもちろんですが、実は演奏データを作るのにも技術が必要。ここはプリモトーンの開発元がなんとあのジョイサウンドを展開する会社だからできることなんです。楽器は良くてもデータが悪いと良い演奏にならないので、ここも重要なポイントですね。

細部までこだわった製品は、演奏1つで人を惹きつけます。ホテルや百貨店で販売する際、演奏を聴いて人が吸い寄せられるそうです。僕も実際に長期間使いましたが、独特の響きの良さがあるし、夜間や休日のリラックスタイムにはもってこいでした。生演奏を聴く機会が減っているからこそお金をかけて贅沢をしたい部分かもしれませんね。

製品情報

  • 製品名:Primotone(プリモトーン)
  • メーカー:株式会社エクシング
  • 価格:69万3000円(税込)
  • サイズ:幅304mm×高さ159mm×奥行 210mm
  • カラー:ブラウン
  • 櫛歯:40弁

参考資料

木村 ヒデノリ