2.1 【国民年金(老齢基礎年金)】
- 5万6368円(月額)
2.2 【厚生年金(老齢厚生年金)】
- 男女平均:14万3965円(老齢基礎年金含む)
- 男性平均:16万3380円(老齢基礎年金含む)
- 女性平均:10万4686円(老齢基礎年金含む)
これより、夫婦が加入する年金ごとの年金受給額の平均は、以下のとおりです。
- 会社員(夫)・専業主婦(妻):16万3380円+5万6368円=21万9748円
- 自営業(夫)・専業主婦(妻):5万6368円+5万6368円=11万2736円
- 会社員(夫)・会社員(妻):16万3380円+10万4686円=26万8066円
- 自営業(夫)・会社員(妻):5万6368円+10万4686円=16万1054円
上記より、夫婦2人でもらう年金は、それぞれが加入する年金によって受給額に差がでることがわかります。
たとえば、夫婦揃って厚生年金に加入している場合は、夫婦ともに国民年金だけの場合より約2.4倍になります。
また、夫婦揃って厚生年金に加入している場合は、夫のみが厚生年金で妻が被扶養家族の場合よりも1.2倍多くもらえます。
夫が自営業、妻も専業主婦という場合は、国民年金に加入しているだけとなり、もらえる年金は老齢基礎年金のみとなります。
この場合は、国民年金保険料を20~60歳になるまで払い込めば、2人分の満額である13万2500円がもらえるでしょう。
3. 余力のある老後を送るには「公的年金を増やす」「自分年金をつくる」取り組みが必要
年金加入者ごとの平均的な年金受給額を確認したところで、参考までに、65歳以上の年金受給者の生活費も確認しておきましょう。
総務省の家計調査報告2022(令和4)年度の「65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支」によると、平均消費支出は23万6696円となっています。
さらに、税金や介護保険・国民健康保険などの非消費支出の3万1812円を合わせると、合計額は26万8508円になります。
先述の加入する年金ごとの夫婦年金受給額と比べると、いずれの場合も支出額が上回るため、年金だけでは老後の生活費をまかなうのは難しいのではないでしょうか。
少しでも余力のある老後を送るためには、以下のような取り組みを複合的に考えましょう。
3.1 公的年金額を増やす
- 国民年金の免除や未払いがある人は追納や任意加入を検討する
- 年金の受給開始を66歳以降に繰り下げる
- 公的年金に上乗せをする付加保険料、国民年金基金などを利用する
3.2 自分年金をつくる
- iDeCo(個人型確定拠出年金・イデコ)を利用する
- 小規模企業共済を利用する
- 個人年金保険に加入する
4. リタイア後の生活設計を考える
リタイア後の生活設計を考えるとき、生涯にわたって受給できる公的年金(老齢年金)が重要な収入源になります。
老後にはいくら受給できるか? という点は、その間の生活を考える上でも大事です。
この機会に、年金制度のことを知り、自分自身が将来、受け取る年金額についても、年一回届く「ねんきん定期便」などで確認しておきましょう。
参考資料
- 日本年金機構「令和5年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省「2021(令和3)年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要 」
舟本 美子