夫婦の中には「そろそろ住まいを変えたい」と思っている方もいるのではないでしょうか。
そこでまず選択を迫られるのが「賃貸物件にするか」「物件を購入するか」かと思います。
ライフスタイルや考え方によってそれぞれにメリットがある「賃貸・購入」ですが、共働き夫婦は、どちらを選択している人が多いのでしょうか。
アットホーム株式会社は、共働き夫婦で、賃貸・購入の住み替えを検討している男女を対象にした「ライフスタイルや求める住まい」の調査結果を2023年5月16日に公開しました。
結果より、それぞれのメリットや現状について見ていきます。
「賃貸にしようか、物件を購入するか」悩んでいる人は、住まい選びの参考にしてみてください。
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現在住み替えを検討している共働き夫婦の「理想の間取り」とは
アットホーム株式会社は、共働き夫婦で、賃貸・購入の住み替えを検討している男女を対象に「ライフスタイルや求める住まい」に関する調査を実施しています。
調査概要は下記のとおりです。
- 調査対象:現在共働きで、配偶者と2人暮らしをしながら、賃貸・購入の住替えを検討している23歳~59歳の男女437名
- 調査方法:インターネットによるアンケート調査
- 調査期間:2023年3月7日(火)~3月9日(木)
- リリース公開日:2023年5月16日
上記調査の結果、現在住み替えを検討している夫婦の理想の間取りとして、賃貸派では37.9%が「2LDK」、購入派では40.8%が「3LDK」と回答しています。
賃貸派の場合は、「2LDK」が最多となり、次いで「2DK」「1LDK」が上位となりました。
一方で、購入派の場合は、「3LDK」が最多で、次いで「4LDK」「2LDK」が上位に挙げられました。
上位の結果をみると、賃貸派よりも購入派のほうが部屋数が多い傾向にあります。
賃貸の場合、子どもの誕生といったライフスタイルの変化によって、引越しがしやすいのが特徴です。
実際に、アットホーム株式会社の同調査では、共働き夫婦が「賃貸物件を探している理由」として、「ライフスタイルに合わせて住み替えやすいから」という回答が最多となりました。
引越しのしやすさや経済負担が少ないことも上位に上がっており、現状は「2人で生活するうえで理想の間取り」を選択する人が多いとわかります。
一方で、購入の場合は今後のライフプランを見据えたうえで購入する必要が高まります。
そのため、購入派の場合は賃貸派よりも、「将来子どもができたら」といったことを想定して間取りを決める人が多いのだとうかがえます。
また、賃貸派、購入派ともに「2LDK」以上の間取りを理想とする夫婦が多い傾向にありました。
その背景として、夫婦になったとはいえ「家の中で一人になれる空間が欲しい」と感じている人が多いことが考えられます。
実際に、アットホーム株式会社の同調査では、半数以上の人が「家の中で一人で仕事や趣味に没頭できるスペースが欲しい」と回答しており、一人の時間確保ができる間取りを希望していることがわかります。
その一方で、約6割の共働き夫婦が「夫婦で一緒に過ごす時間を定期的に設けている」と回答。
これらから、一人の時間確保はしつつ、夫婦で一緒に過ごす時間も大切にできる間取り空間を求めているといえます。
共働き夫婦の購入検討理由は「資産になるから」
前章で、共働き夫婦が賃貸を選択する理由として「ライフスタイルに合わせて住み替えやすいから」という回答が最多となりました。
では、購入を検討している人は、ライフスタイルの変化に伴う住み替えやすさよりも、何を重視しているのでしょうか。
アットホーム株式会社の調査によると、購入物件を探している理由として「自分たちの資産になるから」が最多となりました。
賃貸を検討している夫婦は「ライフスタイルの変化」を重視している一方で、購入を検討している夫婦は「ライフプラン・マネープラン」を重視しながら住まいを探していることが分かります。
国土交通省の「高齢者の住まいに関する現状と施策の動向」によると、高齢者の夫婦において、賃貸よりも持ち家に住んでいる人のほうが多い結果となっています。
賃貸の場合は毎月の賃貸料がかかりますが、購入の場合はローンを完済してしまえば、毎月の固定費削減につながります。
固定資産税や家の修繕費用などの支出はあるものの、老後の資産を考慮し購入物件を検討する人も多いのかもしれません。
住宅購入で不安なことは「住宅ローンの完済」
前章では、購入物件を探している理由として「自分たちの資産になるから」が最多となりました。
しかしその一方で、アットホーム株式会社の調査では、物件の購入において不安な点として「住宅ローンの完済ができるか」が最も上位に挙げられました。
人生の一大イベントである物件購入では、高額のローンを借り入れて購入する人が多いですが、そのローンを老後までに完済できるかといった不安は大きいようです。
金融広報中央委員会の調査データによると、2人以上世帯における年代別の住宅ローンの残高は下表の結果となりました。
平均値は「全てのデータを足したあとにデータ数で割った値」となっており、極端にローン残高が多い人がいた場合、平均値が偏る傾向にあります。
一方で中央値は、対象となるデータを小さいまたは大きい順に並べ、中央にある値を指しており、一般的なローン残高の実態を知りたい方は中央値を参考にすることをおすすめします。
20代の場合は、平均が569万円に対して、中央値が0円であることから、まだ物件購入をしていない人の割合が多いことが分かります。
20代を除く各年代の中央値をみてみると、段階的にローンの返済額は減少しており、70歳代では100万円となっています。
データをみると、多くの人が30代前後から住宅を購入しローンの返済をしていることがわかります。
早い段階からローンの返済をしていくことで、その分月々の負担や完済日にゆとりが持てるようになります。
「老後のために物件を購入しておきたい」と考えている方は、一度今後のライフスタイルについて夫婦で話し合っておくと良いでしょう。
夫婦で今後のライフスタイルについて話し合おう
本記事では、共働き夫婦の「ライフスタイルや求める住まい」に関する調査結果を解説していきました。
賃貸を検討している夫婦は「ライフスタイルの変化」を重視している一方で、購入を検討している夫婦は「ライフプラン・マネープラン」を重視しながら住まいを探していることが分かりました。
賃貸の場合は、ライフスタイルの変化に伴い住み替えがしやすいことから、柔軟にプランを変更できるメリットがあります。
一方で、購入の場合はマイホームが資産となることから、老後を見据えて検討する人が多いようです。
ライフスタイルや考え方によって両者どちらにもメリットがあるため、一度夫婦で今後のライフプランについて話し合ってみてはいかがでしょうか。
参考資料
太田 彩子