2023年5月12日、75歳以上の後期高齢者医療費を段階的に引き上げる「健康保険法」改正案が成立しました。
物価高をはじめ社会保険料の値上げとなれば、年金生活者には厳しい生活が待ち受けています。
一方で、年金で生活する人には、どのような支援策があるのでしょうか。
本記事では、年金生活者への支援策として代表的な「年金生活者支援給付金」をはじめとする支援策をまとめて解説します。
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1. 年金生活者支援給付金とは
年金生活者支援給付金は、年金収入やその他の所得が基準額を下回る人に対して、通常の年金に上乗せする制度です。
年金生活者支援給付金は、以下すべての条件に該当している人が給付の対象になります。
- 65歳以上で老齢基礎年金を受給中
- 世帯全員の市町村民税が非課税
- 前年の年金収入額とその他の所得額の合計が88万1200円以下
給付額は「保険料納付済期間」と「保険料免除期間」それぞれで計算します。
計算式は、以下の通りです。
- 保険料納付済期間:5140円×保険料納付済期間÷480月
- 保険料免除期間:1万1041円×保険料免除期間÷480月
保険料の納付済月数が480ヵ月、免除期間が0ヵ月の場合は「5140円」となります。
5140円×480÷480=5140円
年金生活者支援給付金が対象となる人は、請求書に必要事項を記入して年金事務所に提出して受理されれば給付を受けられます。
では、年金生活者支援給付金のような支援策は他にあるのでしょうか。
高齢者に向けた政府の支援策について紹介します。
2. 高齢者が受けられる支援制度
高齢者に向けた代表的な支援策を3つ紹介します。
- 介護保険における住宅改修
- 補聴器の購入費助成
- 介護用具の費用助成
それぞれの内容について確認していきましょう。
2.1 介護保険における住宅改修
要介護認定を受けて自宅を改修する必要が生じた場合に、実際にかかった改修費の9割を支給する制度です。
対象となる改修項目は、次の通りです。
支給限度基準額は20万円ですが、実際の支給額は9割なので、上限額は18万円となります。