投信ブロガーが支持する投資信託のナンバーワンを決めるイベント「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year2022」で三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」が4年連続1位を獲得しました(三菱UFJ国際投信「“投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2022”受賞のお知らせ」)。

4年連続で1位となったことは、全世界株式インデックス・ファンドの人気が頭1つ抜けていることを示す証左でもあるでしょう。

しかし、全世界株式インデックス・ファンドは決して万能な投資信託というわけではありません。投資家の目的や資産運用の方針によってはおすすめできない商品でもあります。

今回は全世界株式インデックス・ファンドをおすすめしない人について解説します。

また、あわせて全世界株式インデックス・ファンドを運用すべき人や代表的な全世界株式インデックス・ファンドの商品の特徴も解説するので、運用を検討している人は本記事を参考にしてみてください。

1. この記事を読んでわかること

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  •  全世界株式インデックス・ファンドをおすすめしない人の特徴
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2. 全世界株式インデックス・ファンドとは

まずは全世界株式インデックス・ファンドとは何かをおさらいしましょう。

投資信託(ファンド)とは投資家の資金をプロが運用する金融商品のことであり、投資する地域やアセット(資産)、運用スタイルなどの違いによって5000種類以上の商品が存在します。

全世界株式インデックス・ファンドはそんな数多存在する投資信託商品の1ジャンルであり、文字通り「全世界の株式市場に投資する」商品です。

例えば「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の投資先上位10カ国は以下の通りとなっています。

出所:三菱UFJ国際投信「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」のマンスリーレポートをもとにMeChoice編集部作成

上の図からも分かる通り、全世界株式インデックス・ファンドは安定したリターンを望めるアメリカ、フランスなどの先進国、そして台湾などの今後の発展が見込まれる新興国両方の株式市場へ投資できる投資信託商品なのです。

また、インデックスとは目標とする株価指数などのベンチマークに値動きを連動させることを目指す運用スタイルのことです。

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3. 全世界株式インデックス・ファンドをおすすめしない人の特徴5選

全世界株式インデックス・ファンドは1つの商品で世界中の株式市場に投資できる投資信託です。

しかし、だからといってすべての人におすすめできるかと言えばそうではありません。投資目的や資産運用方針次第ではおすすめできない人がいることもまた事実です。

ここでは全世界株式インデックス・ファンドをおすすめしない人の特徴を詳しく解説します。

3.1 1. 短期的に利益を得たい人

全世界株式インデックス・ファンドは短期的に利益を得たい得たい方にはおすすめしません。

全世界株式インデックス・ファンドは世界中の株式銘柄へ投資することからリスク分散の効いた運用を行えるというメリットがあります。一方で個別株投資で特定の銘柄に集中投資するような場合と比較して、短期で大きなリターンを望むことはできません。

出所:MeChoice編集部

3.2 2. 特定の地域に投資したい人

投資信託には全世界株式以外にもさまざまな商品があります。

例えば「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」はS&P500種指数との値動きの連動を目指す投資信託です。

S&P500種指数とは米国を代表する約500の企業で構成される株価指数のことであり、構成銘柄にはアップルやマイクロソフトなどの米国を代表する企業が名を連ねています(2023年4月28日時点)。そのため「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」の主要な投資先も米国株となります。

米国など特定の地域に投資したい人はむしろこのような投資信託を積極的に検討すべきでしょう。

3.3 3. 損(元本割れ)を絶対に回避したい人

損をせずにお金を増やしたいのであれば全世界株式インデックス・ファンドはおすすめできません。全世界株式インデックス・ファンドを含む投資商品には必ず元本割れの可能性が存在するためです。

元本割れとは投資商品が購入時よりも値下がりすることであり、その金額の差が大きいほど損失も大きくなります。

出所:MeChoice編集部

時間が経てば再び購入時の価格を回復する可能性はあるものの、一方でより値下がりすることもあり得ます。

損をしたくないのであれば、元本保証のある金融商品がおすすめです。

<元本保証のある金融商品の例>

  • 普通預金
  • 定期預金
  • 貯蓄預金

例えば、銀行の普通預金であれば、預けたお金が減ることなく利息による収入を得ることができます。

ただし、現在の日本は低金利の時代が続いており、2023年5月26日現在における三菱UFJ銀行の普通預金金利は年率0.001%となっています。大きく資産を増やすことは難しいでしょう。

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3.4 4. 株式以外の資産に投資したい人

株式以外の資産に投資したい人にも全世界株式インデックス・ファンドはおすすめできません。

投資信託で投資できる資産には、株式以外にも不動産や債券などがあるためです。

株式よりも安全な資産に投資したいと考えるのであれば、債券に投資する投資信託を中心に検討するのも1つの手段でしょう。

また、不動産に投資したいのであれば「REIT」を検討してみましょう。

REITとは投資家から集めたお金をプロが不動産に投資する投資信託です。運用によって得た売買益や賃貸料収入が分配金として得られます。

3.5 5. 新興国への投資は避けたい人

新興国とは経済的な水準は先進国に及ばないものの、これからの成長が期待できる国のことです。東南アジアや中東、中南米などが新興国に属します。

新興国の株式市場には先進国よりも値動きが激しいという特徴があります。つまりハイリスクであるということです。

全世界株式インデックス・ファンドの投資先には新興国が含まれるため、ハイリターンな新興国にはびた一文投資したくないのであれば全世界株式インデックス・ファンドはおすすめしません。

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4. 全世界株式インデックス・ファンドがおすすめの人の特徴3選

ここまでは全世界株式インデックス・ファンドをおすすめしない人の特徴を見てきました。

では逆に全世界株式インデックス・ファンドを運用すべき人の特徴にはどのようなものがあるのでしょうか?

ここでは全世界株式インデックス・ファンドを運用すべき人の特徴を解説します。

4.1 1. 長期的な資産形成を目指す人

長期的な資産形成を目指す人には全世界株式インデックス・ファンドをおすすめします。

長期的な資産形成にはリスクの分散が重要です。

例えば、株式投資で特定の銘柄に集中投資すれば、その銘柄の株価が大きく下落した際に多大な損失を被ることになりかねません。反対に複数の銘柄に投資していれば、そのショックを幾分やわらげる効果が期待できるでしょう。

また、特定の国や地域に投資先が偏った場合にはカントリーリスクが高まります。

カントリーリスクとは投資先の国や地域における、テロ、災害などを原因とする資産価格の変動可能性のことです。

全世界株式インデックス・ファンドは世界中の株式市場に分散投資することから、特定の銘柄や国・地域に偏ることのない運用が期待できます。

安定した長期の資産形成を目指すのであれば、全世界株式の投資信託を検討すると良いでしょう。

4.2 2. 日本以外の国に投資したい人

すでに日本株を運用している人で、海外への投資も検討しているのであれば、全世界株式インデックス・ファンドの検討をおすすめします。全世界株式インデックス・ファンドのなかには日本以外の全世界に投資できる商品があるためです。

例えば、三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slimシリーズであれば、以下のように2種類の全世界株式インデックス・ファンドが存在します。

  1. eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
  2. eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)

いずれも先進国及び新興国の株式市場の値動きに連動した投資成果を目指す全世界株式インデックス・ファンドですが、eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)は日本を投資対象としていません。

既に日本への投資を個別株投資で行っている場合は、「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」のような投資信託でその他の国、地域への投資をカバーできます。

【関連記事】eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)はどのような投資信託か?商品概要とおすすめポイントを解説【証券アナリスト監修】

4.3 3. 新興国投資によるリターンを得たい人

今後、ブラジルや中国といった新興国の成長の恩恵に与りたいのであれば、全世界株式インデックス・ファンドの運用を検討してみましょう。

全世界株式インデックス・ファンドの投資先には新興国の株式が含まれます。

例えば、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」であれば、組入資産の10.6%が新興国株式となっています(2023年4月28日現在)。

新興国の個別株投資は情報が得やすい日本株と比べるとハードルが高くなりがちです。新興国市場に資金を投じておきたい投資初心者の方にとって全世界株式インデックス・ファンドは魅力的な選択肢と言えるでしょう。

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5. 代表的な全世界株式インデックス・ファンドの商品2種類を解説

ここまで全世界株式インデックス・ファンドの主な特徴をみてきました。

しかし、一口に全世界株式インデックス・ファンドといってもすべての商品内容が同じわけではありません。商品によってベンチマークに設定する株価指数が異なるためです(ベンチマークとは値動きの連動を目指す株価指数などの目標となる基準のこと)。

ここでは全世界株式インデックス・ファンドのなかでも代表的な2つの商品を取り上げて比較してみましょう。

<代表的な全世界株式インデックス・ファンドの商品比較>

商品名

ベンチマーク

ベンチマークの概要

指数の期間収益率(3年)※2023年4月28日時点

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス

先進国23カ国と新興国26カ国の大型株・中型株約3000銘柄で構成される株価指数

+74.1%

楽天・全世界株式インデックス・ファンド

FTSE Global All Cap Index

全世界の小型~大型株約9000銘柄で構成される株価指数

+75.9%

「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」が採用しているベンチマーク「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」は約3000銘柄で構成されているのに対し、「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」の「FTSE Global All Cap Index」は約9000銘柄で構成されています。

また、FTSE Global All Cap Indexの構成銘柄には小型株が含まれていることも両者の大きな違いでしょう。

3年間の利益を示す騰落率は両指数で大きな差がありません。

なお、つみたてNISAの対象商品となっている全世界株式インデックス・ファンドは上記2つのいずれかの指数をベンチマークとして採用しています。

分散性の高さを重視するのであれば、FTSE Global All Cap Indexを採用している全世界株式インデックス・ファンドを中心に検討すると良いでしょう。

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6. 投資信託の運用におすすめの証券会社

ここまでで全世界株式インデックスファンドに興味を持った方もいるかもしれません。

そこで、ここでは投資信託の運用におすすめの証券会社を紹介します。

「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」や「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」をはじめ、2000本以上にも及ぶ投資信託をラインナップした人気ネット証券です。

6.1 楽天証券

楽天証券は900万口座の開設実績を誇る日本屈指の証券会社です。

楽天カードを使って投信積立を行うと、ポイント還元率最大1%で楽天ポイントが貯まるほか、投資信託の購入にも楽天ポイントを利用できます。

そのため普段から楽天ポイントを貯めている方におすすめのネット証券会社です。

また、楽天証券と楽天銀行を連携するマネーブリッジを利用すれば、楽天銀行の普通預金金利が最大0.1%になるのも魅力的。株の購入時には、証券口座の不足分が楽天銀行の普通預金残高から自動入金される自動入出金(スイープ)サービスも便利です。

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7. 投資初心者であれば全世界株式インデックス・ファンドはおすすめ

ここまで全世界株式インデックス・ファンドをおすすめしない人の特徴を紹介してきました。

結論、以下のようなケースに当てはまらないのであれば、全世界株式インデックス・ファンドはぜひとも検討したい投資信託です。

  • 短期的に利益を得たい人
  • 投資信託を通じて米国などの特定の国や地域に投資したい人
  • 絶対に損をしたくない人
  • 投資信託通じて株式以外の資産に投資したい人
  • 1円たりとも新興国への投資は避けたい人

今後の長期運用におけるコアの1本として、全世界株式インデックス・ファンドの運用を検討してみてはいかがでしょうか。

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【関連記事】投資初心者は何から始めるべき?失敗しないコツや投資先を解説【証券アナリスト監修・CFP執筆】

参考資料

9. まとめ

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  •  ただし、投資目的や資産運用方針によってはおすすめしない
  •  
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MeChoice編集部