次から次に発覚するマイナンバー誤登録のニュースに「自分は大丈夫?」と不安に感じている方は多いでしょう。デジタル庁は2023年5月27日に同庁サイトに誤登録問題に関する特設ページを開設。Q&A形式で利用者から想定される質問に回答しています。

現在発覚している誤登録は大きく分けて、「公金受取口座」「健康保険証の情報」「マイナポイント」「コンビニ交付サービス」の4つ。それぞれのケースで詳細と確認方法をみていきましょう。

【マイナンバー誤登録問題】公金受取口座の場合

デジタル庁によると、公金受取口座の誤登録は「各自治体の手続支援窓口における端末操作」に原因があるとのこと。具体的には、担当者が先に登録作業を行っていた人のマイナポータルからログアウトせずに次の人の公金受取口座の登録を行ったことで、異なるマイナンバーに紐づけされてしまったようです。

すでに問題が発覚している自治体では、本人の了解のもとで訂正を行っていますが、同様のケースは他の自治体でも考えられます。自分自身で確認するためには、マイナポータルにログインし、「注目の情報」の「公金受取口座の登録・変更」をチェックしましょう。もし誤りがあった場合は、同ページから登録口座を削除し、住んでいる市区町村に連絡しましょう。

【マイナンバー誤登録問題】健康保険証情報の場合

健康保険証情報の誤った紐づけは、就職、転職、退職や扶養の範囲が変わった場合などの保険証切り替え時に発生しているようです。デジタル庁によると、「本来は氏名・生年月日・性別・住所が一致することを確認する必要があるが、一部情報のみが一致するだけで登録したり、複数の候補(同姓同名で生年月日・性別が同じなど)が提示された時にそれぞれの候補の内容をしっかりと確認せずに紐付けをしたりしてしまった」とのことです。

正しく紐づけされているか確認するには、マイナポータルにログインし、「注目の情報」から「最新の健康保険証情報の確認」を選択。ページ中段にある「あなたの健康保険証情報」をチェックしましょう。医療機関・薬局に設置されている読み取り装置でも氏名のみ確認可能ですが、同姓同名の人との紐づけ誤りは認識できないので、マイナポータル経由での確認が推奨されています。

もし誤って紐づけされているのが発覚した場合は、マイナンバー総合フリーダイヤル、もしくは自分自身が加入している医療保険者に連絡しましょう。

【マイナンバー誤登録問題】マイナポイントの場合

マイナポイントの誤った紐づけは、公金受取口座と同じく「各自治体の手続支援窓口における端末操作」が原因とのこと。担当者が先に登録作業を行っていた人のマイナポータルからログアウトせずに次の人のマイナポイントの申し込みを行ったことで、異なるマイナンバーに紐づけされてしまったようです。このケースは本人が受け取るべきポイントが他人に付与されるなどの損害も発生しています。

自分自身で確認するためには、スマートフォンで「マイナポイント」のアプリ・サイトのトップ画面から「申込み状況を確認」にアクセスすれば、現在の状況が表示されます。自治体で手続支援を受けた、途中で申込みを中断されたという人については、支援を受けた自治体(手続支援窓口)でも状況を確認可能です。

もし誤って紐づけされているのが発覚した場合は、マイナンバー総合フリーダイヤル、もしくは申し込みをした自治体(手続支援窓口)に連絡しましょう。問い合わせ時は「マイキーID」「申込日時」「決済サービス」「決済サービスID」を手元に用意しておくとスムーズです。いずれもマイナポイントアプリ・サイト内の「申込み状況を確認」でチェックすることができます。

【マイナンバー誤登録問題】コンビニ交付サービスの場合

コンビニ交付サービスの誤交付は、各自治体が事業者に委託して構築したシステムの不適切なプログラム処理によるものが原因とのことです。すでにプログラム修正は完了しており、不具合のあった自治体や関連事業者で再点検が実施されています。こちらについては、現時点において自分自身で確認する方法はありません。

【マイナンバー誤登録問題】今後の付き合い方はどうするべき?

問題が相次ぎ、信頼性が低下しているマイナンバーですが、政府の方針としてさまざまな機能が今後も付与されていくことは間違いないでしょう。2023年5月11日にも電子証明書の機能がスマートフォン単体で利用可能になるなど、利便性はますます高まっています。

「信頼できないので使わない」というのも個人の選択ですが、今後はマイナンバーに情報を紐付けないことによるデメリットが発生することも考えられ、ずっと無関係でいるのは現実的ではありません。セルフチェックを常に行いつつ、制度や問題をよく理解した上で、上手に付き合っていくのが得策といえそうです。

参考資料

大蔵 大輔