企業の業績動向や社会情勢の変化などによって、株価が大きく変動することがあります。
株価の動向は株式投資のリターンに大きな影響を与えるため、注意を払う必要があるでしょう。
株式投資のリターンを考える際は、配当金や株主優待だけではなく、株価変動も含めてトータルで考えることが大切です。
今回はキリンホールディングス(2503)について、配当金や株主優待、株価もあわせた「1年前に100株を買った人の本当のリターン」を確認します。
※記事中で記載の株価は全て終値となっています。
※株式分割の影響は全て遡及修正して株価を調整しています。
【注目記事】「オリエンタルランド(4661)の株」23日に年初来高値更新。「1年前に買った人」のトータル・リターンを分割後で試算【株主優待・配当金・株価】(2023年5月第4週)
1. キリンホールディングス(2503)の配当金のリターンはいくらか
キリンホールディングスの株式を1年前に買い、持ち続けたとすると、「2022年12月期の中間配当と2022年12月期の期末配当」の計2回を受け取ることができます。
なお、配当基準日を迎えた時点でリターンが確定したとします。
今回の検証では、以下のような想定となります。
- 株式の取得日:2022年5月25日
- 株式の取得価格:1963円(取得日の終値)
- 2022年12月期・中間配当:32.5円
- 2022年12月期・期末配当:36.5円
- 100株ベースの配当金のリターン:6900円
それでは次に、株主優待のリターンを計算していきます。
2. キリンホールディングスの株主優待のリターンはいくらか
キリンホールディングスは決算期(12月31日)現在、100株以上保有する方に向けてキリンビバレッジ商品詰め合わせなどを提供しています。
その他にも、「機能性表示食品」「キリンシティお食事券」などがあり、希望の商品を選ぶことができます。100株以上1000株未満を保有する株主には1000円相当の優待品が進呈されることから、1000円の経済価値と想定します。
そのため、優待のリターンは1000円です。
3. キリンホールディングスの株式投資のトータル・リターンはいくらか
以上、配当金と株主優待のリターンについて振り返ってきました。
次に、株価変動によるリターンを計算します。
- 株式の取得日:2022年5月25日
- 株式の取得価格:1963円(取得日の終値)
- 取得から1年後の日付:2023年5月25日
- 1年後の株価の終値:2132円
- 100株ベースの株価変動によるリターン:+1万6900円
そして最後に、トータル・リターンを計算します。
- 配当金のリターン:6900円
- 株主優待のリターン:1000円
- 株価変動によるリターン:+1万6900円
- トータル・リターン(金額ベース):+2万4800円
- トータル・リターン(%ベース):+12.6%
トータル・リターンは金額ベースで+2万4800円でした。
4. キリンホールディングスの配当推移を確認
キリンホールディングスの株式の年間リターンは+12.6%でした。
最後にキリンホールディングスの配当金の推移を確認しましょう。
今回確認したように、「配当金」「株主優待」「株価変動」に分けて考えると、より具体的なリターンを把握しやすくなります。
株式投資をする際は、配当金や株主優待の内容だけではなく、株価動向もしっかり確認しましょう。
参考資料
加藤 聖人