注文住宅を建てるうえで、事前に情報収集をしておくことは非常に大切です。
国土交通省は2023年5月19日に「令和4年度住宅市場動向調査」の結果を公表しました。
この調査は、個人の住宅建築における実態を把握するために毎年行われています。
本調査によると、全国で注文住宅を建てた世帯の76.0%が、インターネットを「情報収集」で活用したと回答しました。
実際に建てた人の間取りや体験談などは、参考になることも多いでしょう。
そこでこの記事では、埼玉県で3800万円の注文住宅を建てた40代夫婦の体験談を紹介します。
今回は見落としがちな「周辺環境」で後悔したことを中心にお話いただいたので、注文住宅を建てる際の参考にしてみてください。
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1. 隣家との距離が近くて日当たりが良くない
「実際に住んでみると隣の家との距離が近く、思っていたよりも日当たりがあまり良くありませんでした。圧迫感もあるため、もう少し隣家との距離を離せば良かったです」とご夫婦は言います。
民法第234条には、以下のように定められています。
「建物を築造するには、境界線から50センチメートル以上の距離を保たなければならない。」
しかし、隣家の承諾があればこの限りではありません。
地域によっては、敷地境界線から1〜1.5m以上離すように定められている場合もあります。
隣家との距離が近いと、日当たりが悪くなる以外にも生活音が聞こえやすくなったり、プライバシーを守りにくくなったりするリスクが考えられます。
ご近所トラブルに発展しないためにも、なるべく隣家との距離は確保しておきましょう。
窓の位置や間取りも、設計士と入念に相談しながら決めるといいですね。
2. 校庭の砂ぼこりで外壁が汚れる
「家のすぐ近くに小学校の校庭があります。子どもたちが走り回って発生する砂ぼこりで、家の外壁がすぐに汚れてしまいます」とご夫婦は言います。
家の近くに小学校があれば、子どもの通学には便利である反面、子どもの声やチャイムの音が聞こえたり、ご夫婦のお話のように砂ぼこりが舞ったりすることがあるでしょう。
土地を購入する前に、周辺の施設や環境、交通量などを確認しておくことが重要です。
平日と休日、朝と夜など日にちや時間帯を変えて、複数回現地を確認しておくことがおすすめです。
3. ムクドリの襲来があった
「埼玉県では、夏にムクドリが襲来することがありました。最近の2年は落ち着きましたが、住んで最初の2年はとてもひどかったです」とご夫婦は言います。
ムクドリはスズメに似た小さな鳥で、群れで行動する習性があるのが特徴です。
数え切れないほどのムクドリが木の上にとまり、鳴き声による騒音やフン害を引き起こしているニュースを見た人もいるでしょう。
ムクドリは鳥獣保護法によって、むやみに捕獲や駆除などができません。
そのため、防鳥ネットで侵入を防いだり、忌避剤を設置したりするなどで対策しなければなりません。
4. 用水路で蚊が大量に発生する
「家のすぐ近くに用水路があるのですが、夏場になると蚊が大量に発生します。蚊に刺されることが多くなるのがストレスです」とご夫婦は言います。
川や池、用水路などが家の近くにあると、湿気がたまりやすくなるでしょう。
それによって、以下のようなデメリットが発生しやすくなります。
- 虫が多く生息している
- 家にカビやコケが生えやすくなる
- 水はけが悪い
- 地盤が弱い可能性がある
このようなデメリットから、土地の価格が相場よりも安く設定されているケースもあります。
とはいえ、虫が苦手な人は、周辺環境に水辺がある土地を避けた方が無難でしょう。
5. 大雨で道路が冠水する
「家が平地にあり、大雨が降ると前面道路が冠水してしまいます。もう少し家を高くして建てれば良かったと後悔しています」とご夫婦は言います。
土地を購入する前に、自然災害のリスクや避難場所の位置を示した「ハザードマップ」を確認しておくと良いでしょう。
ハザードマップを確認することで、主に以下の自然災害の危険性がわかります。
- 地震
- 洪水
- 津波
- 高潮
- 土砂災害
- 火山の噴火
ハザードマップは国土交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト」で確認できます。
土地を購入する前にハザードマップを確認して、購入を決断する場合は家を高くするなどの対策をしておきましょう。
土地の購入前に周辺環境は入念に調査しておこう
埼玉県で3800万円の注文住宅を建てた40代夫婦の周辺環境における後悔5選を紹介しました。
家の間取りや設備に不満があっても、リフォームをすれば解決できるかもしれません。
しかし、周辺環境の不満を解決するのは非常に難しいでしょう。
- 実際に複数回現地を訪れて確認する
- インターネットでエリアの情報を収集する
- SNSで口コミを確認する
- 近くに住んでいる知人がいればヒアリングをする
土地の購入前に上記のような方法で情報収集を行い、住んでから周辺環境で後悔しないようにしましょう。