LIMOが2022年6月にお届けしたガーデニング記事から、人気の記事をピックアップして再掲載します。
(初掲載*2022年6月21日)
ユニークな花と甘酸っぱい果実の両方が楽しめるパッションフルーツ。春から夏にかけて鉢植え苗が出回ります。
果樹の中では比較的育てやすく、鉢植えでも収穫ができるので果樹を育てたことがない方にもオススメ。
今回は花も実も楽しめるパッションフルーツの育て方と、基本の管理方法について紹介します。
1. パッションフルーツとは?
パッションフルーツは、ブラジル南部が原産のつる性常緑多年草です。4~5月に時計の文字盤のような花を咲かせることから、別名「クダモノトケイソウ」とも呼ばれています。
多種多様な品種がありますが、おもに流通しているのは下記の2種類です。
- パープル系…紫色の実がなる品種。霜がおりない暖地であれば地植えも可能。果実は小さいものの、酸味が少なく甘みがある。自家結実するが、人口受粉をおこなうと実つきがよくなる。
- イエロー系…黄色の果実がなる品種。パープル系よりも大きい果実をつけるが、酸味があるのが特徴。耐寒性が弱いので、鉢植えで育て秋~春は屋内で管理づる。2種以上の異品種を植えたほうが結実しやすい。
近年ではパープル系とイエロー系の混雑種も多く出回っています。いずれもつる性植物なので、グリーンカーテンとして楽しむこともできますよ。
果実は丸い形をしており、果肉は果汁タップリ。タネが多めですが、種ごとスプーンですくって食べられます。味は「オレンジとレモンの中間」「キウイとパインの中間」など人によってさまざま。ジュースやカクテルにしても楽しめます。
2. 鉢植えでも生育可能!パッションフルーツの基本の育て方
2.1 生育場所
日当たりと風通しがよい場所で育てます。
日光が当たらないと花つきが悪くなり、実の収穫量が少なくなります。
成長に適した気温は15~30度。霜がおりる地域は鉢植えで育て、秋~春は室内での管理がオススメです。
2.2 庭植えする場合
1年中霜がおりない暖地であれば、パープル系が庭植えに適しています。植え付け適期は4~6月上旬です。湿気が多い場所を避け、日当たりや風通し、水はけがよい場所に植えましょう。
植え付け前は、土に腐葉土と化成肥料を混ぜ込んでおくと根付きやすくなります。
2.3 水やり
パッションフルーツは乾燥に弱い果樹。鉢植えで育てる場合は、土の表面が乾く前に水をやるのが基本です。
夏は土が乾きやすいので、朝と夕方の2回、鉢底から水が流れるくらいたっぷりの量をあげましょう。
庭植えの場合、植え付けから10日間ほどは毎日水やりをおこないます。根付いてからは降雨でも育ちますが、日照りが続くときは水を与えてください。
2.4 肥料
鉢植え・庭植えともに、小さな苗木のうちは果樹用の液肥やチッソ系肥料を週に1度くらい与えます。
チッソ過多になると花が咲かなくなるので、株が大きくなって花が付く頃になったらリン酸肥料に切り替えましょう。花と実の生育を促します。
2.5 人口受粉
パッションフルーツの開花時期は4~5月。花が咲いたら、収穫率を上げるために人口受粉をおこないましょう。花を観察すると、花粉がついた雄しべが5本、少し上に雌しべが3本あるのが分かると思います。
雄しべの花粉を綿棒や筆、指などで雌しべの裏側に付けてあげると人口受粉が完了。収穫率がアップします。