エネルギー・食料品価格等の物価高騰による負担増を踏まえ、政府は住民税非課税世帯を対象と想定し、1世帯当たり3万円の給付(電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援給付金事業)を行う方針を決定しました。

概要や日程、対象の範囲などが気になっている人もいるのではないでしょうか。

今回の臨時給付金は、高騰する物価や電気代をサポートするものとして、住民税非課税世帯へ6月を目処に各自治体にて給付が行われる見込みです。

ただし、自治体によってスピード感が異なるのが現状で、すでに通知を出しているところや、検討中としているところなどさまざまです。

本記事では、過去の給付を参考に今回の給付について説明しています。

また、6月から始まる電気代の値上げに関連して、日々の節約についても簡単に考察しています。

気になる人は、ぜひ記事内容をご確認ください。

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1.「住民税非課税世帯が対象?」3万円の緊急支援給付の最新情報

住民税非課税世帯等を対象とした3万円給付についての対応は、自治体ごとにまちまちです。

「詳細はまだ決まっていない」としている自治体も多く見られました。

出所:各自治体の公式HPを参考に筆者作成

例えば、東京都中央区では基本方針のみ決定しており、具体的な内容はこれからとしています。

大阪府の八尾市や河内長野市は東京都中央区と同様に、お知らせできる内容は少ないものの、近日中に対応を進めるとしています。

福岡県春日市も完全版の概要は出していませんが、スケジュールはおおよそ決められています。

2. 過去の臨時給付金(10万円給付や5万円給付)の概要

過去には、一世帯あたり10万円が給付される「住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金」や、一世帯あたり5万円が給付される「電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金」など、変化する世情に合わせて政府は国民へ給付を行いました。

過去の臨時給付金の対象世帯条件は下記のとおりです。

  • 世帯全員の住民税均等割が非課税
  • 令和4年1月以降の収入が減少して住民税均等割が非課税となった世帯

上記の通り、国民全員への給付ではなく、生活に困っている低所得者層を対象としています。

住民税非課税世帯には年金受給者も含まれます。

過去の給付金の概要では、転入や世情によって急に収入が減ったケースは申請が必要となり、基本的に対象者には郵送にて通知されるシステムが採用されていました。

過去の事例に倣って、おそらく今回も同等のルールが敷かれるのではないかと予想されます。

なお、2022年の10月に支給された電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金は、時系列のお知らせを見る限りでは、おおよそ申請から1か月で給付が完了しているようです。

3. 住民税非課税世帯になる要件

住民税非課税世帯とは、前年の所得合計が市区町村の条例で定める金額以下になった場合を指します。

以下、計算式の一例です。

3.1 世帯内に配偶者や扶養親族がいる場合

年間の所得が、35万円×本人を合わせた世帯人数+31万円の計算式にて算出される金額よりも、収入が低いことが条件です。

出所:総務省「(地方税制度)個人住民税」

その他、生活保護を受けている、障害者手帳1級または2級の交付を受けている場合なども対象になります。

住民税が非課税となる条件は厳しいため、普通に働いて生計を立てている方にとって、臨時給付金は無縁のものとなりそうです。

一方で、住民税が非課税になるほど家計が困窮している世帯に、一時的な数万円の支援のみで良いのか?という疑問の声もあります。

4. 6月からの電気代値上げに備えて

6月からは、大手7社の電力会社において大幅に電気代が値上げされます。

日用品などの値上げが続く中、日常的に利用する電気の料金が上がると、家計へのダメージはより大きなものとなるでしょう。

家計への負担をできる限り抑えるための、効果的な節約方法をいくつかピックアップしてみました。

  • 固定費の見直し:毎月必ずかかる通信費や保険料など削減できるものを洗い出す
  • 変動費の見直し:食費、衣服費、交際費などを一度見直してみる
  • まとめ買いとポイントの活用:普段まとめ買いの習慣がない人に有効。ポイントの活用も

月並みな方法ですが、固定費の削減はとても効果的です。

特に通信費は効果が高いとされていますので、一考の価値はあります。

収入がさほど変わらない状況で値上げが続く昨今、節約の意識は持たざるを得ないでしょう。

5. 値上げの夏、給付金の動向に注目が集まる

JBOY/shutterstock.com

物価の値上げに続き、ついに電気代の大幅な値上げも始まります。

住民税非課税世帯だけでなく、できるだけ多くの世帯に臨時給付金が望まれるところですが、現状では限定的な給付にとどまる見込みです。

細かい節約は必須の世情になりますが、文化的な生活を脅かすことなく、ピンポイントに深くメリハリの効いた節約を行うようにしましょう。

参考資料

LIMO編集部