2023年5月16日に発表された、株式会社ファブリカコミュニケーションズ2023年3月期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社ファブリカコミュニケーションズ 代表取締役社長 谷口政人 氏

当社の企業概要

谷口政人氏:株式会社ファブリカコミュニケーションズ代表取締役社長の谷口政人です。本日はお忙しい中、当社の決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。さっそくですが、2023年3月期決算についてご説明します。

会社概要を簡単にご説明します。当社は「テクノロジーで社会の課題を解決する」というミッションの下、主に事業者、いわゆるtoB向けにインターネットサービスを提供しています。当社グループは、親会社のファブリカコミュニケーションズと100パーセント子会社である株式会社メディア4uで構成されています。当社グループの従業員数は、2023年3月31日現在、連結で176名が在籍しています。

アジェンダ

本日のアジェンダです。はじめに2023年3月期第4四半期の連結実績、続いてセグメント別実績、最後に2024年3月期の業績予想と全社の取り組みについてご説明します。

【連結】FY2023.3 業績サマリー

連結業績についてご説明します。売上高は76億円と、創業以来過去最高の売上となりました。2022年の実績は58億5,800万円でしたので、前年に比べ17億4,200万円増加し、前年比29.7パーセント増となっています。

営業利益は前年に比べ3億5,900万円増加し、前年比38.9パーセント増となりました。経常利益は前年比34.3パーセント増の12億6,200万円となっています。当期純利益は前年比41.1パーセント増の8億1,000万円で、こちらも創業以来過去最高額となっています。

【連結】FY2023.3 業績ガイダンス

業績ガイダンスに対する進捗結果です。主力事業の1つであるSMSソリューショングループの特需もあり、好調に推移しました。そのため2022年11月14日に上方修正を発表しましたが、修正後の予想も上回る着地となりました。

売上高は72億5,000万円の業績予想に対し、達成率は104.8パーセントです。営業利益、経常利益の達成率は、それぞれ102.6パーセント、103.4パーセントとなっています。当期純利益も計画値を上回り、達成率は103.4パーセントで着地することができました。

【連結】業績推移(四半期別)

スライドのグラフは過去3年における四半期別の連結業績推移を示しています。第4四半期の売上高は、前年比で27パーセント増、営業利益は前年比13.4パーセント増と、好調に推移しています。

【連結】業績推移(通期)

年間推移を見ると、営業利益、経常利益ともに前年比30パーセント超の成長率を実現しています。

【連結】貸借対照表

貸借対照表です。第3四半期と比較すると、純資産が2億4,200万円増加し、自己資本比率が67.5パーセントに上がっています。

【連結】FY2023.3 業績サマリー(セグメント別)

セグメント別の実績およびKPI推移についてご説明します。まず、セグメント別の業績サマリーです。主力事業の1つであるSMSソリューショングループの通期売上高は、前年比38.2パーセント増の45億4,300万円となりました。U-CARソリューショングループも業績を順調に伸ばし、売上高は前年比11.2パーセント増の12億6,200万円となりました。後ほど、セグメントごとに詳細をご説明します。

売上高推移・営業利益推移(四半期別)

SMSソリューショングループの第4四半期売上高は11億9,500万円、営業利益は3億2,600万円となり、四半期売上高・利益ともに前年同期を20パーセント以上、上回って着地しました。

コロナ関連を除いた売上高

第4四半期の新型コロナウイルス感染症関連の特需は1,600万円で、これを除いた第4四半期売上高は11億7,800万円となり、新型コロナウイルス感染症関連特需を除くと過去最高の売上・営業利益を更新しています。

主なKPIの推移

当社のSMS配信サービス「メディアSMS」の導入社数は、2023年3月末時点で4,383社となっており、前年同期に比べ862社、第3四半期からは245社の増加となっています。

また、スライド右側のグラフは広告宣伝費および売上高に占める広告宣伝費比率の推移を示しています。第4四半期は3.6パーセントとなっており、今後も売上高の増加に伴った、規律ある広告投資を継続していきます。

売上高推移・営業利益推移(四半期別)

U-CARソリューショングループです。第4四半期の売上高は3億2,400万円となり、こちらのセグメントも四半期で過去最高を更新しました。第4四半期には、自社メディア強化を目的としたテストマーケティングとして、一部地域にてテレビCMを実施しました。これにより販管費が増加し、営業利益率が低下していますが、一時的なものと考えています。

主なKPIの推移

当セグメントのKPIとして置いている「symphony」の導入社数ですが、第3四半期から116社増加し、3月末時点で3,760社となりました。レベニューチャーンレートは微増していますが、1パーセント未満と低水準で推移しています。引き続き加盟店支援に注力していきます。

トピックス

トピックスとしては、3月30日に当社の中古車検索サイトである「車選びドットコム」が「ChatGPT」と連携しました。対話型AIを用いた業界初の中古車検索サービスであり、中古車選びの新たなユーザー体験として、時間と労力を大幅に削減することが期待されています。

売上高推移・営業利益推移(四半期別)

インターネットサービスグループです。第4四半期には季節要因等もあり、黒字化を実現することができました。セグメント営業利益は四半期では黒字化したものの、通期ではマイナス1,800万円で着地となり、継続的な成長性に課題があると認識しています。

売上高推移・営業利益推移(四半期別)

オートサービスグループです。鈑金修理およびレンタカー事業が堅調に推移し、加えて高額な中古車の販売が売上増加に寄与しました。その結果、第4四半期の売上高は前年同期比48.5パーセント増の4億4,500万円という着地となりました。営業利益は前年同期比19.4パーセント増の2,900万円となりました。

【連結】2024年3月期 業績予想

2024年3月期の業績予想についてご説明します。2024年3月期連結売上高は、前年比18パーセント増の89億6,700万円を計画しています。営業利益は前年比10.6パーセント増の14億1,800万円、経常利益は前年比12.9パーセント増の14億2,400万円です。純利益は前年比10.3パーセント増の8億9,300万円で、2024年3月期も過去最高の売上高および利益を計画しています。

各セグメントでは、SMSソリューショングループの売上高は前年比23.9パーセント増の56億2,700万円、U-CARソリューショングループは前年比10.6パーセント増の13億9,600万円、インターネットサービスグループは前年比4.7パーセント増の3億3,300万円、オートサービスグループは前年比5.5パーセント増の16億1,000万円を計画しています。

【連結】2024年3月期 業績予想

AI研究開発の先行投資やアクションリンク事業への投資、主に人件費や東京オフィスの移転に伴う費用といった業容拡大による成長投資を実施しつつも、売上高、利益ともに2桁成長を維持する計画です。

株主還元について

配当についてご説明します。当社では、株主に対して「安定的かつ継続的な利益還元の実施」という基本方針の下、2024年3月期末の1株あたりの年間配当金は前期から1円増配し、36円を予定しています。

成長戦略のアップデート

成長戦略についてご説明します。当社の成長戦略として、3点挙げています。1つ目は、当社のコアビジネスであるSMSソリューショングループとU-CARソリューショングループのプロダクト強化および提供価値の向上を推進します。

2つ目は、「BtoB×SaaS」型のビジネス展開による企業のデジタル化を推進します。そのために、M&Aにおけるソーシングを継続し、戦略的な案件に厳選して検討、実施します。3つ目は、人工知能(AI)やブロックチェーンの研究開発への先行投資を行います。

成長戦略における主な取組み (2) BtoBのSaaS型ビジネスの展開

具体的には、「BtoB×SaaS」型のビジネス展開として、2022年7月には不動産DXを手掛けるiimon社との資本業務提携を行い、2023年3月からEC特化型のCRMプラットフォームのアクションリンク事業を譲り受けました。今後も継続的な成長に向けて事業展開を進めます。

成長戦略における主な取組み(3)人工知能(AI)やブロックチェーンの研究開発への先行投資

5月2日に開示したSparkle AI株式会社についてご説明します。大規模言語モデル(LLM)関連技術の研究をはじめとした、いわゆるジェネレーティブAIおよびブロックチェーンの研究開発を目的に、当社が100パーセント出資する連結子会社を設立します。

この子会社では、当社の自社保有データとLLMの技術を掛け合わせ、当社既存サービスの価値向上を図るとともに、まったく新しい独創的なサービスを生み出すことを目指しています。

今回の子会社設立により、スピーディーな意思決定の仕組みと優秀な専門人材の獲得に資する給与・報酬体系を構築して競争優位性を早期に確立し、いち早く優れたプロダクトを開発・リリースすることで、さらなる収益拡大とグループ競争力強化および株主価値の最大化を実現します。

以上で決算説明を終了します。最後までお聞きくださり、ありがとうございました。

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