2022年9月に販売開始したマツダのCX-60は、同じくマツダのCX-5と同じくクロスオーバーSUVにジャンル分けされる車種です。しかし、そのボディサイズやパワーユニットは大きく異なります。
次に乗り換えるときはマツダCX-5にしようと決めていた方にとって、CX-60の登場は非常に悩ましいことでしょう。
この記事ではCX-5とCX-60をボディサイズと燃費そして価格を中心に比較していますので、これからマツダのSUVを検討する方の指針になれば幸いです。
2022年9月に発売されたマツダCX-60
2022年9月に発売されたマツダCX-60は、予約受注において月間販売計画台数の4倍を超える8726台の予約を獲得しました(2022年9月11日までの集計)。
また、自動車販売協会連合会乗用車ブランド通称名別順位による直近の販売台数でも、月2000台から4000台を売り上げるなど人気の盛り上がりを見せています(2023年4月はCX-60で2101台)。
そしてCX-5は2012年の初代発売以来、マツダのSUVラインナップの主力モデルとして多くの支持を集めています。
CX-60とCX-5は同じSUVですが、比較すると異なった特徴をもつ車種であることがわかります。この記事では最もわかりやすい、ボディサイズと燃費そして価格を比較してみました。
【CX-5とCX-60】ボディサイズ比較。堂々たるCX-60のボディサイズ
CX-60とCX-5では、ボディサイズに大きな違いがあります。
CX-60は全長で165mm、全幅で45mmも大きくなります。両車とも2列シート5人乗りですが、CX-60は6気筒エンジンをおさめるため4気筒エンジンよりフロントが長くなることがその理由です。
またホイルベースも170mm長くなるので、その分後席の足元スペースや荷室もCX-5より余裕があります。
しかし、CX-5の室内が狭いと言うわけではありません。このクラスのSUVとしては標準的なサイズであり、1845mmの車幅によって快適な空間を実現でき、CX-60ほど車幅もあまり気にしなくてすみます。
CX-60はその車幅が広いことで大型セダンのような室内空間を感じられます。駐車場や狭い路地では注意が必要ですが、フロント部分とホイールベースが長くても、小回り性能がCX-5より劣るわけではありません。
CX-60はFR駆動を基本としているためステアリングの切れが良く、最少回転半径はCX-5より短いのです。
【CX-5とCX-60】燃費の比較。ハイブリッドとPHEVのCX-60
CX-60、CX-5ともにパワートレインの種類が豊富で、クリーンディーゼルエンジンとガソリンエンジンがラインナップされています。
また、CX-60にはマイルドハイブリッドとPHEV(プラグインハイブリッド)の設定があることが特徴です。
また、CX-5のクリーンディーゼルエンジン車は、CX-60のように6気筒の3.3Lはなく4気筒2.2Lのみですが、ガソリンエンジン車には2.0Lエンジンが設定されています。
パワーマイルドの種類が多いことで燃費もそれぞれ異なっているために比較も難しいのですが、燃費でいえばCX-60のハイブリット車が21.1km/Lで最も良いという結果になります。
また、2.5LガソリンエンジンのPHEVは14.6km/Lですが、モーターとバッテリーのみで走れるEV走行換算距離が75kmもあるので、利用の仕方によってはディーゼルエンジン車を上回る実燃費となるでしょう。
【CX-5とCX-60】意外とリーズナブルなCX-5
価格については、CX-60は299万2000円から626万4500円、CX-5は276万6500円から417万100円という価格帯になっており、CX-5より大きなボディで排気量の大きいパワーユニットを積むCX-60の方が高い価格になっています。
スタート価格だけ見ると約23万円ほどCX-60の方が高くなっています。しかし、この価格のCX-60のエンジンは2.5Lガソリンエンジン、対するCX-5は2.0Lのガソリンエンジンです。
同じ2.5Lガソリンエンジンのスタート価格を比較すると、何とCX-5の方が約29万もCX-60より高いという逆転現象が起こっています。
この時のグレードはCX-60が25S S Package、そしてCX-5が25S L Packageと装備の異なるグレードですが、CX-60が意外とリーズナブルであることがわかります。
このように低価格モデルではCX-5に対してけっして高くないCX60ですが、売れ筋グレードのハイブリッドモデルやPHEVはCX-5より確実に高く、200万円近い価格差があります。
対するCX-5は全体的にCX-60より価格が低く、人気グレードの「XD Field Journey」であっても358万6000円であるのでより身近なモデルといえるでしょう。
まとめにかえて
お伝えしたようにCX-60とCX-5は、それぞれに異なる個性があり、燃費に限ってもディーゼルの4気筒か6気筒、またはハイブリッド、そしてガソリンの2.0Lか2.5L、PHEVと選択肢が多彩にあります。
これにボディサイズや価格を含めて、何を求めるかを慎重に検討する必要があります。
参考資料
- マツダ株式会社2022.9.15 「MAZDA CX-60」の販売を開始」
- 自動車販売協会連合会乗用車ブランド通称名別順位
- マツダ株式会社「CX-60諸元表」
- マツダ株式会社「CX5諸元表」
- マツダ株式会社「CX-60グレード・価格」
- マツダ株式会社「CX-5グレード・価格」
- マツダ株式会社「新型クロスオーバーSUV「MAZDA CX-60」の日本仕様を初公開」
田中 秀雄