※本文3段目のテスラ車の価格について事実と異なる箇所がありました。「テスラだともっとも安い車種でも1500万円はする」を「テスラのModel Yでも一番下のグレードがIONIQ5の上位グレードと同価格帯」と訂正しました。(2023年5月17日13時)
ゴールデンウィークにEVカーの「充電待ち渋滞」が話題になりました。実は現行の国産EVはバッテリー容量が少ない車種がほとんどで、長距離移動の際は頻繁に充電しなければいけないという弱点があります。一方でバッテリー容量が大きいテスラのような海外メーカーのEVは高価で手がでないというジレンマも。
そこでおすすめしたいのが、ヒョンデが日本で2022年から展開している「IONIQ5」です。大容量バッテリーと韓国ならではの子供へのおもてなし仕様でテスラにも負けない乗り心地を実現しています。品質を疑っていた妻も「次買うならこれしかないじゃん」となりました。
【ヒョンデ/IONIQ5】コスパが良すぎる高級感と乗り心地に感動
まず本当に驚きなのが、価格です。同じくらいの大きさのEVカーで国産だと現状日産のアリアくらいしか選択肢がないのですが、IONIQ5は一番安いスペックなら同程度の539万円。テスラのModel Yでも一番下のグレードがIONIQ5の上位グレードと同価格帯なのでコスパが良いのがわかります(訂正)。
上のグレードのAWD(四輪駆動)でも下のグレードと40万円しか違わない598万円。ここから補助金などで割り引かれるので実質400万円台で買える可能性もあります。バッテリー容量や内装の出来を考えると驚きの安さです。
天井は前から後ろまで全てガラスになっていて開けると開放感抜群!熱はかなりカットされるので夏場に開けていても全く問題ありませんでした。これを一度味わってしまうと普通の車が窮屈に感じてしまいます…。
フロントパネルは全て液晶になっていて、走行モードによってデザインが変わります。例えば、ウインカーを出すと、連動してミラー下のカメラが起動。死角から自転車やバイクが来ていないかしっかりと確認できます。この機能、かなり安心感がありました。
あとはなんといってもシートのクオリティ。どのメーカーにもない唯一無二のゴージャスな仕上がりになっています。フロント2席は両方ともオットマン(足をしたから支えてくれるパッド)付き。ワンタッチで無重力モードになって休息できます。
書斎の高級チェア顔負けのリラクゼーション感を実現するこの椅子なら長距離ドライブの充電時間を極上の休息タイムに変えてくれます。後部座席のシートも横幅があって足元が驚くほど広い!少しだけリクライニングできるので子供が疲れた時も窮屈さを感じさせずにドライブを続けられます。
【ヒョンデ/IONIQ5】子供への配慮は韓国メーカーならでは
韓国のプロダクトは子どもへの目配せが行き届いているという特徴があります。IONIQ5には「後部座席スリープモード」という機能が備わっており、子供が眠ったら後部座席のみ音量を下げてくれます。これ、他のどの車でも見かけませんがスピーカーは後部ドアにも付いているので意外と重要ですよね。
あとは車内で森や波の音が流せるという変わり種機能も。なんだか運転手まで眠くなっちゃいそうですが、遮音性が高い車内で森の音を流すのは朝の通勤に良いなと感じました。
運転席側から助手席の倒れ方、前後位置をコントロールできるようになっているのも子供が乗っている時に便利。少し前に出してあげる、といった操作が助手席に乗っている人がいなくてもできて素晴らしい。こうした設計は国産車にないところなので感動しました。
【ヒョンデ/IONIQ5】機能性にも隙がない、完成度とコスパは唯一無二
IONIQ5はバッテリーが原因の爆発事故が起きた、というニュースがセンセーショナルでなんとなく敬遠している人もいるかもしれません。実は妻も当初はそうしたネガティブなイメージを持っていたのですが、試乗して考えが180°変わったようです。
僕自身も実際に乗ってみて、不安よりも感動の方が大きかったというのが正直なところ。例えば、IONIQ5はバッテリー容量がかなり多いので東京から愛知への移動でも充電ほぼなしでいけました。他のEVだと道中2、3回は必要なので驚きでした。
あとは実用性もしっかり考えられています。後部座席にはUSBポートと100Vのコンセントが装備されていてドライヤーも使える仕様。
さらに充電口に付属のアタッチメントをつけることで、車をポータブル電源として使えちゃいます。これなら電源が取れないキャンプ場へいってもばっちり電力が取れます。
ホンダなどではこの機能はオプションになっていて数十万かかるしデバイスも大きくて使いづらいので、小さいアタッチメントだけでこの機能が使えるアドバンテージは非常に高いと思います。
災害時には電源になってくれるので車以上の活躍が期待できることも考えると、さらにコスパが上がります。こんなに重いバッテリーを載せていたら走りに影響しそうですがそこはEV。この車重で驚くほどの加速を実現しています。高速道路で追い越しをする際の快適さといったらありません。
これで車内も静かなので、文句のつけようがありません。計測してみたところ、時速100kmを超えても65.2dBという快適な車内環境をキープ。走行前が41.4dBだったことを考えても、静音設計は際立ったものがありました。やっぱり車は乗ってみないとわかりませんね。職業柄いろんな電気自動車に乗ってきましたが、間違いなくコスパナンバーワンの一台でした。
参考資料
木村 ヒデノリ