過去の同月に公開された記事をプレイバック!もう一度読み直したい、「編集部セレクション」をお届けします。 (初公開日:2022年5月27日) |
今年のゴールデンウィークは最大10連休となりました。
感染症対策をして実家へ帰省した人も以前より増えたのではないでしょうか。
長期休みには、帰省時に年金暮らしの祖父母から「年金が入ったよ」とお小遣いをいただいたことを思い出します。
今のシニア世代は一体いくらくらいの年金をもらっているのでしょうか。今回は、シニア世代がもらう年金額を1歳刻みで詳しく見てみたいと思います。
【注目記事】こんなに天引きされる?厚生年金と国民年金の実態。手取りと額面の違いを解説
1. 日本の年金制度は2階建て
まずは、日本の年金制度をかんたんにおさらいしましょう。日本の年金は2階建て構造といわれていますね。
1階部分は国民年金(基礎年金)です。加入対象は、日本国内に住むすべての20歳から60歳未満の人で、保険料は皆一律の月額1万6590円です。(令和4年度)
2階部分は厚生年金です。加入対象は、公務員や会社員などで、報酬比例で保険料が異なります。対象者は、1階部分の国民年金に上乗せして2階部分の厚生年金ももらえます。厚生年金は人によって受給額が大きく異なるのが特徴です。
では、次に本題の年金受給額を1歳刻みで見てみましょう。
2. 年金額を1歳刻みで確認すると
厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、年金受給額の月額平均を1歳刻みで確認します。
2.1 国民年金の平均年金月額
- 60歳:3万9019円
- 61歳:4万594円
- 62歳:4万1689円
- 63歳:4万2881円
- 64歳:4万3513円
- 65歳:5万7919円
- 66歳:5万7737円
- 67歳:5万7569円
- 68歳:5万7272円
- 69歳:5万7169円
- 70歳:5万7234円
- 71歳:5万7153円
- 72歳:5万7066円
- 73歳:5万6874円
- 74歳:5万6675円
- 75歳:5万6235円
- 76歳:5万6204円
- 77歳:5万5881円
- 78歳:5万5651円
- 79歳:5万5525円
- 80歳:5万7241円
- 81歳:5万7024円
- 82歳:5万6866円
- 83歳:5万6876円
- 84歳:5万6464円
- 85歳:5万6321円
- 86歳:5万6067円
- 87歳:5万5643円
- 88歳:5万5132円
- 89歳:5万4498円
- 90歳以上:5万554円
2.2 厚生年金(第1号)の平均年金月額
- 60歳:9万838円
- 61歳:5万9575円
- 62歳:6万436円
- 63歳:7万8770円
- 64歳:8万636円
- 65歳:14万5337円
- 66歳:14万5703円
- 67歳:14万3386円
- 68歳:14万1979円
- 69歳:14万36円
- 70歳:14万3775円
- 71歳:14万7105円
- 72歳:14万6331円
- 73歳:14万5724円
- 74歳:14万5467円
- 75歳:14万7519円
- 76歳:14万8172円
- 77歳:14万9924円
- 78歳:15万2159円
- 79歳:15万4467円
- 80歳:15万7097円
- 81歳:15万8604円
- 82歳:16万356円
- 83歳:16万851円
- 84歳:16万1719円
- 85歳:16万2711円
- 86歳:16万2887円
- 87歳:16万1929円
- 88歳:16万2660円
- 89歳:16万3514円
- 90歳以上:16万1506円
※国民年金(基礎年金)の月額を含みます。
65歳未満の厚生年金保険(第1号)の受給権者は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより、主に定額部分のない、報酬比例部分のみの者です。また65歳未満の国民年金の受給権者は、繰上げ支給を選択した者です。
そのため、国民年金も厚生年金も65歳未満の年金受給額は低くなっているのがわかります。
一方、年齢が上がるにつれて年金額は高くなっていますね。
年金受給額は毎年改定されており、現役世代の賃金や物価がシニア世代の年金に影響します。
同じ保険料を納めたとしても、将来年金を受け取る経済状況によって年金額は変化してしまうのですね。
3. 年金額のリアルな金額は一体いくら?
ここまでは、1歳ごとの平均値を眺めてきました。平均値の場合は、一部の金額につられて数字が引き上がってしまうことがあります。
年金額別の受給人数のデータで、年金受給額のボリュームゾーンを併せて確認しましょう。
3.1 国民年金月額階級別の老齢年金受給者数
- 1万円未満:7万4554人
- 1万円以上~2万円未満:29万3600人
- 2万円以上~3万円未満:92万8755人
- 3万円以上~4万円未満:284万2021人
- 4万円以上~5万円未満:466万3638人
- 5万円以上~6万円未満:776万979人
- 6万円以上~7万円未満:1483万5773人
- 7万円以上~:188万2274人
国民年金は、平均月額5万6252円に対して、ボリュームゾーンは「6万円以上~7万円未満」となりました。
3.2 厚生年金月額階級別の老齢年金受給者数
- 1万円未満:10万511人
- 1万円以上~2万円未満:1万8955人
- 2万円以上~3万円未満:6万6662人
- 3万円以上~4万円未満:11万9711人
- 4万円以上~5万円未満:12万5655人
- 5万円以上~6万円未満:17万627人
- 6万円以上~7万円未満:40万1175人
- 7万円以上~8万円未満:69万4015人
- 8万円以上~9万円未満:93万4792人
- 9万円以上~10万円未満:112万5260人
- 10万円以上~11万円未満:111万9158人
- 11万円以上~12万円未満:101万8423人
- 12万円以上~13万円未満:92万6094人
- 13万円以上~14万円未満:89万7027人
- 14万円以上~15万円未満:91万3347人
- 15万円以上~16万円未満:94万5950人
- 16万円以上~17万円未満:99万4107人
- 17万円以上~18万円未満:102万4472人
- 18万円以上~19万円未満:99万4193人
- 19万円以上~20万円未満:91万6505人
- 20万円以上~21万円未満:78万1979人
- 21万円以上~22万円未満:60万7141人
- 22万円以上~23万円未満:42万5171人
- 23万円以上~24万円未満:28万9599人
- 24万円以上~25万円未満:19万4014人
- 25万円以上~26万円未満:12万3614人
- 26万円以上~27万円未満:7万6292人
- 27万円以上~28万円未満:4万5063人
- 28万円以上~29万円未満:2万2949人
- 29万円以上~30万円未満:1万951人
- 30万円以上~:1万6721人
厚生年金は平均月額14万4366円に対して、ボリュームゾーンは「9万円以上~10万円未満」となりました。
まさに、平均値がつり上がっている状態です。
厚生年金については特に個人差が大きく、いくらもらえるかを一律で予想することは難しいといえるでしょう。
4. まとめにかえて
今回は、年金額を年齢別・受給金額別に眺めてみました。
実際、年金だけでは老後の生活費が足りないと思われる人もいることでしょう。
定期的に年金事情や年金改正にはアンテナを張りながら、ぜひ公的年金に頼らない老後資金作りに取り組んでみてくださいね。
参考資料
西森 遥