NHKの連続テレビ小説「らんまん」第6週のサブタイトルは「ドクダミ」。日本では昔から薬草としてなじみ深く、純白の花と濃い緑の葉とのコントラストが鮮やかです。
ドラマでは日が当たらない長屋に咲く姿を見た主人公の万太郎が、「恵まれない環境でも元気に咲いて嬉しくなる」と愛おしむシーンがあります。今回はドクダミの魅力や育て方を紹介します。
【NHK朝ドラ】『らんまん』第6週に登場する「ドクダミ」ってどんな植物?
- ドクダミ科ドクダミ属
- 多年草
- 分布:東アジア、東南アジア
- 草丈:20~40センチ
- 開花期:5~6月
- 花色:白
- 参考価格:400~700円前後(3号ポット苗)
日本では北海道より南の広い地域に自生するドクダミ。家の北側など半日陰のやや湿った場所でよく見かけます。昔から「十薬(じゅうやく)」という名前の薬草として利用されてきました。
葉から独特の強い臭気を放つのが特徴。この臭いのため「毒を持っている」と思われたことから、「毒だめ」が転じて「ドクダミ」という名前になったと言われています。
また、薬効があるということから、江戸時代の書物には「毒を『だみ(静止・矯正)』する」と記載されていることが名前の由来とも。
乾かした葉をお茶にした「ドクダミ茶」は、今も健康によいとされよく飲まれています。
【NHK朝ドラ・らんまん】牧野博士が愛した「ドクダミ」の魅力は?
清楚な白い花
ドクダミは真っ白な4枚の花弁が十字に開き、清楚なたたずまい。5月中旬~6月にかけて咲く純白の花が、梅雨どきの蒸し暑さに涼しさを与えてくれます。
白い花弁のように見えるのは苞(ほう)が変化したもので、本当の花は中央部に立つ黄色い部分。八重咲きもあり、観賞用の園芸種として出回っています。
美しいハート形の葉
葉には強い臭気がありますが、形は愛らしいハート型。葉脈がクッキリと現れ、深い緑色が落ち着いた色合いで大人シックな印象です。
葉が赤・黃・白・緑のマーブル模様になる「五色ドクダミ」も。海外では「カメレオン」とも呼ばれ、鑑賞価値のある植物として人気です。
強健な生命力
ドクダミはほとんど手をかけなくても育ち、日当たりに恵まれない日陰でも栽培可能。繁殖力旺盛で、地下茎を長く伸ばして広範囲に広がります。
ひと株植えただけなのに、何年かするとあちらこちらから芽を出すので困ることも。繁殖し過ぎないように気をつけましょう。
【NHK朝ドラ・らんまん】ドクダミの育て方
栽培環境
どちらかというと半日陰を好みますが、日なたから日陰まで日当たりのよしあしに関わらず元気に育ちます。乾燥地でもジメジメした場所でも栽培可能。
あらゆる環境に適応して生育するので、植える場所を選びません。冬は地上部が枯れて越冬しますが寒さはやや苦手。夏の暑さにはよく耐えます。
水やり
地植えにした場合は降水に任せるのみで、水やりはほとんど必要ありません。鉢植えは土が乾いたらタップリ与えましょう。
肥料
肥料は与えなくても大丈夫です。鉢植えのドクダミには、春に緩効性化成肥料を施すと花数が増えます。
繁殖防止
ドクダミは繁殖力が旺盛で、庭に植えると地下茎を伸ばして広範囲で株を増やします。ほかの植物の邪魔をしてしまうことにもなりかねないので、地植えするより鉢植えがオススメ。
地植えにする場合は根が広がらないように、あらかじめ地中深くに囲いを埋め、その範囲内で根が止まるようにします。
庭に植えて広がり過ぎた場合は、地上部だけでなく地下茎も掘り起こして取り除きましょう。完全に取り除いたつもりでもまた翌年になると芽吹くこともあるので、こまめな手入れが必要です。
まとめにかえて
薬効があり健康や美容によいとされるドクダミ。葉の臭いや強すぎる繁殖力のために厄介者として扱われることもありますが、初夏に咲く白い花は爽やかで心癒やされます。
植物が育ちにくい家の北側などを、美しい花や葉で彩ってくれるのもうれしいところです。植える場所を選んで、繁殖しすぎないようにうまく管理しながら育てましょう。